楽天は、ファッションECの本格的な強化に乗り出す。同社はこれまで日用品やファッションなどカテゴリーごとの内訳は明かしてこなかったものの三木谷浩史・楽天会長兼社長は「ファッション分野での商品取扱高(GMV)は約6000億円」と「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」の商品取扱高3113億円(19年3月期)の1.5倍であることを示した上で、「今後はキリのいいところで1兆円を目指したい」と語った。また、これまで長くても5年程度だった冠スポンサー契約を、「何があるかはわからないが」と前置きしつつも、2009年からスポンサーを務めているテニスの国際的なテニス選手権「楽天オープン」を引き合いに出しながら、「最低でも10年はやりたい」と語った。
「ゾゾタウン」を運営するZOZOがヤフーの傘下に入る中で、「東京のファッションウィークは、僕の友人の海外の世界的なファッションブランドのトップも非常に注目していると言っており、国際的にも注目されていることは確かだ。長い期間の支援を通じ、東京のファッションウィークのポジションをもっと高くに引き上げたい」と語り、デザイナーブランドなどの支援を通じて、日本のファッションECでトップを目指す考え。
楽天は8月、日本ファッションウィーク推進機構との間で「東京ファッションウィーク」の冠スポンサー契約を締結、10月14日からは初の「楽天ファッションウィーク トウキョウ」をスタートする。
イベントの開始に伴い、10月1日からは高感度なファッションブランドのアイテムを集積した「楽天ブランドアベニュー(旧スタイライフ)」を、「Rakuten Fashion」としてサイトデザインなどを一新。デザインやキービジュアルの監修には雑誌「ギンザ(GINZA)」の中島敏子・元編集長とアートディレクターの平林奈緒美氏を起用している。「Rakuten Fasihon」は今後、出店者であるファッションブランドや企業が需要予測や受注管理、決済、物流フルフィルメント、海外販売支援サービスまでを提供する、新しいプラットフォーム化を目指す。