ファッション

強い影響力を持つ仏アパレル素材見本市が「環境への責任」を強く提言 2020-21年秋冬向けが開幕

 世界最高峰のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PREMIERE VISION以下、PV)」が9月17日にパリで開幕し、48カ国2056の出展社が、2020-21年秋冬向けのテキスタイルを中心に糸、レザー、資材、図案などを提案している。会期は19日まで。

 今回PVが前面に大きく打ち出したのは“環境への責任(eco responsibility)”だ。これまでもPVは“環境への配慮を前提にしたモノ作り”は基本にあるべきだとしながらも、ここまで大きく打ち出すことはなかった。

 今回エコに関して新たなに4つのパフォーマンスコードを設け、トレンドエリアで展示されている素材でいずれかに該当するものにマークが付けられた。

 1つ目はバイオポリマー(生体高分子:有機物や再生可能な天然資源から作られた化合物)であること、2つ目はメタルフリー(なめし加工や仕上げ加工に重金属を使用しないレザー)であること、3つ目は製品寿命後のプロセスについてで、生分解性/コンポスト(堆肥)可能/リサイクル(再生利用)可能な性質があるか、またデザイン段階から製品寿命後のことが考えられた素材であるか、4つ目はウオーターレス(通常の製造工程よりも水の消費が少ない染色加工や仕上げ加工)だ。そのほか、オーガニックとトレーサビリティー(製品の原料から生産工程までの追跡が可能なこと)についてもマークが付けられた。

 ジル・ラスボルド(Gilles Lasbordes)=PVジェネラルマネジャーは17日に行われた会見でも、開口一番に“環境への責任”の重要性に触れた。また彼はPVの在り方について「ファッション産業は現在、変動の最中にある。ファッション消費の新たな形態が台頭し、デジタル技術および環境意識が変化をもたらしている。こうしたパラダイムシフトはPVの出展企業にも影響を与えており、そうした経緯から環境・社会への責任を考慮した製品・技術に充てられる出展スペースを拡張した」と説明している。

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