大丸松坂屋百貨店は18日、開業を20日に控えた大丸心斎橋店本館のグランドオープン式典を開催した。同社および親会社のJ .フロント リテイリング(JFR)の首脳をはじめ、店内装飾でコラボレーションした彫刻家の名和晃平、大阪・岸和田市出身のコシノヒロコらが登壇し、門出を祝った。夕方からは上顧客やインフルエンサーを招いた内覧会も行われ、開業ムードが盛り上がりを見せている。
グランドオープン式典に登壇したJFRの山本良一社長は「リアル店舗のあるべき姿を追求するとともに、心斎橋という街のポテンシャルを最大化していきたい」とあいさつ。大丸松坂屋百貨店の好本達也社長は「300年前に呉服屋として創業したこの場所で、次の300年に向けた新しい百貨店の形を作ることができた」と胸を張った。
ECの発展によってリアル店舗の存在意義が問われる中、JFRは17年春開業の「ギンザシックス(GINZA SIX)」でもラグジュアリーな空間演出と人気ブランドの旗艦店の集積によって、集客を促してきた。今回も1933年完成の旧本館を手がけた建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)の内外装をほぼ復元し、現代アートやデジタルと融合させることで美術館のような非日常空間をアピールする。
自身のブランドの1号店が大丸心斎橋店だったというコシノヒロコは「美が人に与える影響は大きい。街が美しくなれば、今以上に心斎橋に人が集まることになるだろう」とエールをおくった。