ファッション

ロングスカートでスタイルアップ! 19-20年秋冬の注目トレンドコーデ実例

 クラシックでレディーライクな装いが、2019-20年秋冬は主役に浮上してきます。このトレンドにマッチするボトムスといえば、やはりロングスカート。秋冬コーディネートの軸にと、海外有力ブランドの多くが発表済み。例えば、ニューヨークブランド「3.1 フィリップリム(3.1 PHILLIP LIM)」は19-20年秋冬コレクションで、大胆なゼブラ柄のロングスカートを披露しました。サイドのスリットはボタンで開け閉めでき、アシンメトリーな裾が優美な動きを演出します。強めの柄を穏やかなトーンで見せるのは、今秋冬の見逃せない傾向です。

 トップスや羽織り物と、ロングスカートとのコンビネーションを意識した提案が増えたのも、今シーズンの目立った変化と言えます。ロングスカートはロマンティックでガーリーなイメージもありますが、今季は大人っぽくシックに着こなすのが新しい作法。そこで、今回はロングスカートを新たな切り口で提案している、大人女性に人気のブランドから、着こなしのヒントになりそうなスタイリング実例をピックアップしてみました。

プリーツとレースで“女度”アップ

 ロングスカートは丈がたっぷりあるため、布の表情を生かしやすいシルエットです。たとえば、細いひだのプリーツをあしらえば、縦落ち感が際立ちます。一方、レースを配すと、ロマンティックな表情に。ワンランク上の満足感を求める女性に向けた「アドーア(ADORE)」が19-20年秋冬コレクションで披露したのは、細ひだのプリーツで、節度とスレンダー感をダブルで印象づけるニットプリーツスカート。斜めに流れ落ちるようなイエローの使い方が優美です。同素材のトップスと合わせるニットのセットアップは、動きやすさと上品さが融け合います。

 一方、優しくたおやかなムードを醸し出せるのが、レース仕立てのロングスカートです。ゆったりとしたシルエットのロングニットに合わせれば、絶好のパートナーに。ロングスカートならコートにも隠れてしまわないので、繊細な表情が装いのアクセントになります。

トーン・オン・トーンで
こなれ感をアピール

 素材感や色味を少しだけ変えつつ、全身を同系色でまとめる“トーン・オン・トーン”の装いは、大人ならではの適度な抜け感を印象づけやすいコーディネートです。落ち着いた雰囲気に見えるので、お仕事服にも向いています。「女性に生まれてよかったと思える服」を提案する「エブール(EBURE)」の19-20年秋冬コレクションでは“進化系セットアップ”とも呼べそうなツーピースを提案。大きめのダブルポケットが印象的なブラウスに、優雅なAラインを描くプリーツスカートを合わせています。ワンピースともスーツとも異なる、絶妙なムードが生まれました。

 完全な上下おそろいではなく、2枚目の写真のように別素材で微妙に色のトーンをずらせば、さらにこなれ感がアップします。ウエストのベルトを垂らして細長効果も発揮。ざっくりニットのプルオーバーで正面だけウエストインしています。背中側に裾をあふれさせたアシンメトリーな着こなしで、フェミニンが自然とただようスタイリングに仕上げました。

“ロング×ロング”レイヤードで
縦長シルエットを強調

 ロングスカートは縦長シルエットも強調できます。賢い着こなしのコツは、着丈の長いトップスやアウターとコーディネートする“ロング×ロング”の合わせ方。秋冬らしいロング丈アウターとのマッチングが試せます。上質感とシンプルさを大切にしながら、今の気分を表現する「イレーヴ(YLEVE)」。19-20年秋冬コレクションでは波打つアコーディオンプリーツに、モヘア素材のロングニットカーディガンを合わせて上質な異素材コントラストを披露しました。自然な落ち感が印象的で、気負わない雰囲気です。ロングブーツで足元を引き締める小技は、今季のマストとも呼べるアレンジです。

 写真2枚目のスタイリングは、スカートの両サイドの丈が長いイレギュラーヘムのデザインで、さらに縦長感が強まりました。ほんのりと光沢を帯びたシルクキュプラのフレアスカートには、色味を少しずらしたコートをオン。ロング丈同士のレイヤードは、防寒ルックをシャープに見せる切り札的コーデとしても注目です。

 ロングスカートを「かさばる」「太って見えそう」と敬遠する人もいますが、今回の着こなしの実例からも分かる通り、コーデ次第ではむしろスタイルアップがかなうアイテムです。色・素材のずらし、“ロング×ロング”の合わせなどのアレンジを生かせば、秋冬コーデの頼れる味方になってくれそうです。

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ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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