9月18日、2020年春夏シーズンのミラノ・ファッション・ウイークが開幕した。15以上のブランドが新作を発表した初日から3ブランドをレポートする。
プラダ(PRADA)
1 / 4
DESIGNER/ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)
提案する洋服は、リブ編みニットのポロシャツ、コットンガーゼのナチュラルドレス、コンケーブドショルダーのシングル&ダブルジャケット、ペンシルシルエットのミディ丈スカートなど、決してバリエーションには富んでいない。むしろ型数を絞り、それらを縦横無尽に組み合わせることで、それぞれの女性の、異なるパーソナリティーを表現するのが狙いだ。
アクセサリーは、カゴバッグから、ワンハンドルのクラシック、ミニ巾着、編み込みのフラットシューズ、レインブーツを模したレザーのニーハイ、ロープを通したサンダルなど、コチラのバリエーションは豊か。メシの種のアクセサリーは豊富に、世界観を描くウエアは型数を絞ることでイメージを強調しつつサステイナブルなマインドを表現する。
ジル サンダー(JIL SANDER)
1 / 4
DESIGNER/ルーク&ルーシー・メイヤー(Luke & Lucy Meier)
2020年春夏のマストアイテムと化しつつある、ボックスシルエットのジャケットにドレスを組み合わせて、オンとオフ、強さと優しさ、フォーマルとエレガンスの双方を提案しつつ、脱ぎ着することで異なる女性像を描く。ジャケットスタイルの、1つの絶対的正解を提案した印象だ。
引き続きモノトーンを基調に、ハリコシのあるギャバジン風の素材から、贅沢な肉厚のシルクタフタまでさまざまな素材をチョイス。前者は形を維持できる特性を生かして強めのショルダーラインを持つトップスに、後者は光沢とドレープを楽しむシャツにと、特性を生かしたパターンを追求。細かく刻んだプリーツ、ギリシャの女神のドレスを思わせるタッキングやドレープが、白黒の世界にドラマを与えた。叩きつけたラフィア、それを緻密に這わせることでレースのように仕上げたパーツをラペルやヘムラインにプラスしたドレスやコートもドラマチック。
ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)
1 / 4
DESIGNER/アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell'Acqua)
ウィメンズとメンズ初の合同ショーを披露した。招待状として用意されたベージュのチュールショーツがジェンダー・ニュートラル(性別を問わない)なアイテムだったように、男女共通アイテムでありながら色気を感じられるコレクションがそろった。巧みなのはヘルシーな肌見せだ。序盤に登場させた小花柄のセットアップをはじめ、殆どのルックの袖下や背中に大胆なスリットを入れることで野暮ったさを打ち消した。また、男女で共通するひざ下丈のハーフパンツと肩パッド付きのノースリーブシャツは、リラックス感のあるカジュアルアイテムでありながら、素材と仕立ての良さでエレガントに昇華した。