「ヴィン + オミ(VIN + OMI)」は2020年春夏ロンドンコレクションでチャールズ皇太子の所有地で収穫されたイラクサを用いた生地で制作したドレスを発表した。
「ヴィン + オミ」のデザイナー、ヴィン(Vin)とオミ(Omi)は2018年5月に開かれた「ポジティブ・ファッション・イニシアチブ(Positive Fashion Initiative)」という、サステイナビリティー、平等性、地産性を促進し、社会にとっても環境にとってもベストな行動を実践していくプロジェクトの茶会でチャールズ皇太子と出会ったという。そこでイラクサ、シャク、栗、キノコなど英国の植物を用いて生地を作製するという同ブランドの試みについての話し合いがなされ、チャールズ皇太子は余っているイラクサを使うように、とグロスターシャーの所有地に彼らを招待した。
ヴィンは、「私たちはオックスフォードブルックス大学の学生たちと、普段なら刈り取って捨てられてしまうイラクサを収穫するため、チャールズ皇太子の私邸“ハイグローブ”へ赴いた」と語り、“ハイグローブ”の庭師リーダーのデブス・グッドイナフ(Debs Goodenough)による指示のもとで作業を行い、10台ものセミトレーラーがいっぱいになるほどの量を収穫したと話した。
「ヴィン + オミ」はイラクサの葉を落とし、腐敗を促すために草の上にさらすという伝統的な手法を用いた。その後、短くクリーム状の繊維からさまざまな織り目のフェルト生地を作ったり、天然のホソバタイセイやアカネで青や赤に染めてコレクションに用いた。
ヴィンとオミは自身らのブランドを「イデオロギーであり、ファッションブランドではない」としており、2004年からサステイナブルなアプローチで活動している。