1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。
今日のニュース:P.8-9「WHAT IS “MODE” モードって何ですか?」
読み解きポイント 立場が違えば「モード」も違う。時代を見るか、心を見るか
ニュースのポイント
4月の特集「業界基礎知識A to Z」の企画を練るにあたり若者から質問を募ったところ届いた、「モードってどんな意味?」という疑問。簡単には説明できない単語ゆえ、改めてデザイナーやバイヤー、経営者、学者などのファッション関係者35人に「モードって何?」を問いかけた。出てきた答えは35人35色。その答えを統括すると、モードとはファッションの”最先端”であり、時代や社会の価値や空気を写し取ったものと言えそうだ。
AZUはこう読む!
ファッション業界の今を担う35人分の「モード」を一気に読み込むと、かなり頭が混乱します(笑)。共通言語であるはずの「モード」が、それぞれの立場によってこれだけ違ったニュアンスを持っている。定義がふんわりとしていて「周りと違うことを指しているんだな」というのがなんとなく伝わるからこそ、つい簡単に使ってしまう言葉で、わかってはいたけれど、その言葉の奥深さに鳥肌が立ちました。
その中でも一番印象に残ったのが、フォトグラファー鈴木親さんの「定義しづらい曖昧なことだからこそ、新たに創造していける無限なもの」という言葉です。これ以上説明がいらないくらい、「それだ!」と思いました。私もこれからこのフレーズをお借りしようと思います(笑)。他にも心に留めておきたい言葉がたくさんありましたが、これが一番希望にあふれていたので。
先輩方の素晴らしい言葉の後で恐縮ですが、私にとっての「モード」とは、より良い時代とは何かという正解のない未来を提示する先導者であり、次の時代への後押しをするために今を切る剣でもあると思っています。だから「モード」を体現しているのはランウエイで「ファッション」を提案するブランドだけではなく、人々の生活を支える「アパレル」も入ります。そういう意味では「グッチ(GUCCI)」も「ユニクロ(UNIQLO)」も「モード」で良いんじゃないかな。逆にいうと、今しか見ていないブランドはそうではないということ。
私自身の言葉で「モードって何?」を考えたときに、真っ先に頭に浮かんできたのが「アパレルをやりたいのか、ファッションをやりたいのか?」という問いかけでした。私が就活をする少し前、尊敬する先輩に投げかけられた言葉です。その時はいまいちピンときませんでしたが、アパレル販売を少し、そしてITという立場からファッション業界に関わるようになってからは、なんとなく思いが固まってきた気がします。一言で言うと、「ファッションが服だけではなくなった時代だからこそ、アパレルという手段でファッションをやりたい」んです。
「WWDジャパン」編集部の皆さん、次の議論のテーマは「アパレルをやりたいのか、ファッションをやりたいのか?」はどうでしょう?
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne