1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のビューティ週刊紙「WWDビューティ」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。
今日のニュース:P.5「『エアー』と『バルクオム』がコラボ ヘアサロン『エアーオム』をオープン」
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読み解きポイント:「誰が言うか」も大事だけど「体験の場所」が超重要
ニュースのポイント
ヘアサロン「エアー」とメンズスキンケアブランド「バルクオム(BULK HOMME)」が9月25日、東京・南青山にメンズビューティに特化したサロン「エアーオム(AIR HOMME)」をオープンする。美容室としてのメニューはもちろん、「バルクオム」製品を使用した限定メニューも用意。従来のサロンの枠にとらわれず、「エアーオム」ならではの特別な体験提供に注力する。
AZUはこう読む!
ほんの少し前まで「メンズがスキンケアなんて意識高すぎ〜」と言われていたのに、気がつけばそれはおかしくもなんともない時代になってきました。私の周りにもいわゆる美容系男子ではないけれど、洗顔、化粧水、乳液までデイリーに行うメンズは普通にいます。
昨今の日本のメンズビューティ界に大きなインパクトを与えたのは、「バルクオム」。2013年にブランドをスタートし、17年に株式会社として運営元から独立。メンズ向けスキンケア製品のサブスクリプションブランドとして成長し、いまではボディ、ヘアケアも展開。20年にはアメニティー事業にも本格参入するなど、「メンズビューティ」をトレンドではなくライフスタイルへと押し上げる立役者です。
今回のサロンオープンも、そんな動きの一つ。男性が美容サロンに行くハードルはまだまだ高いですが、美容室とセットになれば敷居は下がるのではないでしょうか。女性も利用可能とのことなので、施術後に褒め合う「キャッキャ、ウフフ」の美容デートを楽しむも良しです。多分(笑)。
渋谷と恵比寿の間にある老舗銭湯「改良湯」にも、今年から「バルクオム」が置かれています。女子なので使う機会がありませんでしたが、使ってみると「スッキリ!メントール!」的なメンズ感がなくて良かったです。これなら男女問わず使えそう(だからアメニティー事業もハマるのだなぁと思ったり)。やはり美容系製品は、体験してもらうことに勝る施策はありませんよね。いくらインフルエンサーが「これいいよ!」と言ったところで、自分の肌に合うかどうかなんてわからないんですから。
ポップアップなどの高揚感あるイベントで体験してもらうのではなく、「目の前にあったから使ってみた」くらいの日常感がある体験は、ナチュラルな動線で双方負荷の少ないPRになって良いなぁと思います。それができるのって、親和性のある業態と協業した体験の場づくりなのかなと、サロンと銭湯を例に思いました。
ちなみに銭湯は好きでよく行きますが、脱衣所は消費者的には「目の前にあるものを使う」ので逃げ場がなく、企業的には「絶好のPR の場」だと思います。美容製品と相性の良いおしゃれ系銭湯は、スキンケアや美容家電などに力を入れると良いのでは〜と、サウナに入りながらぼんやり考えたりしています。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne