「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」から改称した「パトゥ(PATOU)」は、ギョーム・アンリ(Guillaume Henry)による初のコレクションを、パリ・ファッション・ウイーク期間中の9月25日にプレゼンテーション形式で披露した。
会場は、ノートルダム大聖堂があるパリのシテ島に移転した「パトゥ」のアトリエだ。元々は私立の女子学校だった建物で、窓からはセーヌ川や、パリらしい街並みが見える。まず1階に入ると、コレクションのプロトタイプやミシンが展示され、コレクション制作の過程を感じることができる。「つい今朝までここでみんな働いていたのよ」と案内してくれた「パトゥ」のスタッフが教えてくれ、とてもアットホームな雰囲気だ。ウェルカムドリンクは爽やかなミントのスパークリングウォーターに、ティザー映像でも登場したチェリーが添えられていた。
2階に登ると、「パトゥ」のスタッフジャケットを羽織ったクチュリエたちが黙々と作業していた。コレクションをまとったモデルたち、「パトゥ」のスタッフ、そして来場者が入り乱れる空間。アンリ=クリエィティブ・ディレクターも自ら来場者と話し、コレクションについて語っていた。
ブランド名を改称し流れるようなフォントのロゴを発表した「パトゥ」だが、コレクションやいたるところにジャン・パトゥのイニシャルである“J”と“P”を重ねた新たなシンボルが見つかる。コレクションは、ロゴのタンクトップや、シンプルなTシャツなどカジュアルなものから、シンボルが肩部分に施されたデニムジャケット、ギャザーで丸みを帯びたスカート、袖口にフェザーが施されたシャツ、おお振りのゴールドのボタンを配したコートなど、ディテールにクチュール的なタッチを加えたアイテムを多くそろえる。
以前「クチュールのようなアプローチをしながらも、時間をかけて商品開発をすることで、自分の友人たちが買えるような価格帯にしたい」とソフィー・ブロカール(Sophie Brocart)「パトゥ」最高経営責任者(CEO)は語っていたが、 価格は、最も安価なタンクトップが90ユーロ(約1万円)、平均価格が600ユーロ(約7万円)、高価格帯が2500ユーロ(約29万5000円)ほど。
11月にはECサイトを開設し、来年には実店舗をオープン、日本にも複数のパートナーと交渉を進めており、出店予定があるという。「パトゥ」は現在、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の傘下。アンリ=クリエイティブ・ディレクターは「カルヴェン(CARVEN)」を再生させた実績があるが、この後の動向にも注目が高まる。