中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)が投資家向けのプレゼンテーションを9月23、24日に行い、ダニエル・チャン(Daniel Zhang)=エグゼクティブ・チェアマン兼最高経営責任者(CEO)が登壇して今後の展望などを語った。同氏は2018年9月に発表されたジャック・マー(Jack Ma)共同創業者兼元会長の退任に伴い、今月10日に現職に就任したばかりだ。
チャン=エグゼクティブ・チェアマン兼CEOによれば、中国国内のマーケットプレイスでのアクティブコンシューマー数は19年6月末までの1年間で7億3000万に達しているが、これを24年までに年間10億に成長させ、流通総額(GMV)では同10兆元(約150兆円)以上を目指すという。なお、19年3月期決算でのGMVは8530億ドル(約91兆2710億円)だった。
国内の先進地域では中国人の85%が同社のマーケットプレイスを利用しているが、発展途上地域では40%程度であるため、成長の余地が十分にあると同氏は説明した。「アリババの使命は、ユーザーがどこにいても簡単にビジネスができるようにデジタル技術でサポートすることであり、そのためにやるべきことは明確だ。全社一丸となって尽力する」と述べた。
アリババはEC事業を核としているが、ここ数年はリアルとデジタルを融合する「ニューリテール(New Retail)」戦略を導入している。同氏は、「アリババの市場をさらに拡大するため、今後も『ニューリテール』戦略を推進する。中国の小売市場は38兆元(約570兆円)規模だが、そのデジタル化をいっそう進めたい。もはやオンラインとオフラインを区別して考える時代ではないし、その違いはウェブサイトなのか実店舗なのかではない。事業がデジタル化されているか、そしてビジネスデータを収集しているかだ。当社はさまざまな分野で多くの小売りと提携しているので、そうした提携先の既存事業のデジタル化をサポートし、将来的には彼らがデジタル技術を利用していっそう業績を伸ばしていけるように支援したい」と話した。