「グッチ(GUCCI)」は、9月22日に発表した2020年春夏ミラノ・コレクションを中国版のツイッター、ウェイボー(微博、WEIBO)でライブ配信した。同ブランドが中国でショーのストリーミングを行ったのはこれが初めてだが、ウェイボーによればおよそ1600万のユーザーがリアルタイムで視聴し、後から再生された分も含めると26日現在で2200万回再生されたという。また17万9000のユーザーがコメントを投稿し、“いいね”の数は42万1000に上った。
「グッチ」は中国市場での展開に力を入れており、9月16日に上海のショッピングモール、プラザ66(PLAZA 66)に出店したことに続いて、11月6日には高級百貨店のSKP北京に新たなコンセプトショップをオープンする。また、同月には新たなメイクアップラインを中国で発売するという。
アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの監修の下、2019年5月に発売した新リップスティックが1カ月で100万本を売り上げるなど絶好調の「グッチ」は、ソーシャルメディアでも存在感を増しており、インスタグラムでのフォロワー数は3690万とファッションブランドで1位を獲得している。2位は僅差の3680万で「シャネル(CHANEL)」となっているが、これはそのままメディアバリューにも反映されているようだ。米データ分析会社トライブ・ダイナミクス(TRIBE DYNAMICS)によれば、ファッションブランドのメディアバリューを数値化したリストで、19年8月は「グッチ」が前月比2%増の2670万ドル(約28億5690万円)でトップに立ったという。2位は「シャネル」で同7%減の2350万ドル(約25億1450万円)、3位は「ディオール(DIOR)」で同7%減の2180万ドル(約23億3260万円)だった。
環境保全に関する先駆的な取り組みで知られるケリング(KERING)を親会社に持つ「グッチ」は、サステイナビリティーの推進に熱心なブランドでもある。今回のショーも、温室効果ガスの排出を相殺するべく、イベント運営が環境、経済、社会に与える影響を測定して管理する国際規格ISO 20121に準拠して開催された。