ファッション
連載 編集長・向の今日は誰と会って、何食べた?

編集長はパリコレで何した?Vol.4 「クロエ」でジャケットの着こなしを学び、「オフ・ホワイト」のパワー健在を確認、「リック・オウエンス」の濃厚な世界にまみれる

 パリコレ4日目は、「クロエ(CHLOE)」「パコ・ラバンヌ(PACO RABANNE)」「オフ・ホワイト」などトレンドセッターのショーを取材し、「リック・オウエンス(RICK OWENS)」の濃厚な世界に昼と夜の2度触れてやる気を充電。夜ごはんはデザイナーの自宅にお招きいただきほっこりしました。

9月26日10:00
「クロエ」に見るジャケットの
スタイリングヒント

 ジャケットが気分だけど、久しぶりに着たら生真面目なリクルートスーツ風となりなんだかイマイチ。と思っている方、ぜひ今季の「クロエ」をチェックしてください。ボヘミアンスタイルを得意とする「クロエ」ですが、今季はエレガンスへシフト。“こういうジャケットを選んで、こうスタイリングすれば今っぽくなるんだ”とわかるヒントがたくさん見つかります。

11:00
「アトライン」はきれいな
ワンピースがそろう

 カッティングきれいなワンピースがそろったアトライン(ATLEIN)」。ドレープやバイヤス使いなどウィメンズの服の基本が抑えられた、実用性が高い服ですね。

12:30
「ディオール」展示会で
刺しゅうの技をじっくり

 「ディオール(DIOR)」の展示会で服をじっくり。一着一着の服に職人技が採用されていて、オートクチュールみたい。特にこの、ラフィア素材を使った刺しゅうはぜひ近くで見てください。

13:15
ここは〇〇ランドか!
「ロジェ ヴィヴィエ」のおとぎ話に
溺れる

 問答無用にカワイイでしょう!「ロジェ ヴィヴィエ(ROGER VIVIER)」は“バックステージ”というテーマで、ダンサーやチアリーダーの支度部屋に見立てた小部屋をたくさん用意。その中で新作を見せました。笑いのセンスも散りばめたゲラルド・フェローニ(Gherardo Felloni)=クリエイティブ・ディレクターのハッピーワールド全開です。

14:00
「パコ・ラバンヌ」に見る
正統派フレンチ

 ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)門下生と言えるのが、朝一にショーを行った「クロエ」のナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)とこの「パコ・ラバンヌ」のジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)。ニコラはいつも両ブランドのショーに出席し、後輩たちを応援しています。いずれもフランス人による正統派フレンチをベースにモダナイズ。いつも一言「センスが良い。センスの良さは」というフレーズが頭に浮かびます。

15:00
大人気「Y/プロジェクト」を見に
再びセーヌ川へ

 ヨハン・セルファティ(Yohan Serfaty)によるY/プロジェクト(Y/PROJECT)」が笑っちゃうほどの大人気で、アレクサンドル3世橋のたもとの会場は人が入りきれないほどの熱気。カジュアルともフォーマルとも言い難い、アイテムもカテゴライズしずらい不統一感がこのブランドの魅力。攻めているアイテムが多いけど、ひとつ取り入れてみたいと思わせます。

16:30
フェティッシュは
「アン ドゥムルメステール」に健在

 最近はショーの原稿を書いていて“フェティッシュ”という言葉を使う機会が減りました。極端に何かを偏愛するスタイルは今のファッションの感覚から外れているのかもしれません。しかし、アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」は以前よりむしろフェティッシュでシャープ。黒、白、レザー、フェザー、ジャケット、ドレス、ハーネス。ショーには研ぎ澄まされた緊張感が漂いセバスチャン・ムニエ(Sebastien Meunier)のスタイルがストレートに伝わります。

18:00
「リック・オウエンス」で
風下に座りシャボン玉まみれとなる

 どこのショーより個性的な人が集まる「リック・オウエンス」ですが、ショーが終わってみれば誰よりも個性的なのはリック自身だと毎回思います。演出として登場したのはシャボン玉のパフォーマンス。噴水の水を救い上げてふわ~ふわ~とシャボン玉を作り続け、いつものようにコスチュームばりの服を着たモデルたちを包み込みます。めちゃくちゃポエティックです。同時に風下の観客席だったため大量のシャボン玉が頭に降り注ぎました。全然気にしませんよ。

19:00
「オフ・ホワイト」の
“ネズミに食べられた
チーズみたいな”バッグ

 オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」は、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が健康上の理由で不在と事前にアナウンスされていましたが、会場周辺にはヴァージル信者の若者たちが大勢集まり、そのカリスマ性を再確認。ジョニオさんの娘である高橋ららさんがモデルとして歩き話題になりましたね。気になったのは、ネズミに食べられたチーズ(そんなもの、実際には見たことないけど)みたいに穴が空いたバッグ。このバッグをジップロックに入れて持ち歩く?

20:00
「イザベル マラン」には
正統派美人モデルがずらり

 イザベル マラン(ISABEL MARANT)」はとにかくモデルが豪華。最近のショーは肌の色も顔立ちも、それこそ体形も多様性に富んだモデルが起用されることが多いですが、こちらは正統派美人モデルがそろいます。そして長い脚にピン&ハイヒールのブーツを合わせ、ダウンヘアを揺らしてガンガン歩く。彼女たちのテンションをあげるように笛の音が鳴り響きます。目を観客席に移すとフロントローにも美人のインフルエンサーがずらり。パワフルです。

20:30
リック・オウエンスのパートナー、
ミシェルと記念撮影

 「リック・オウエンス」のブックサイン会に向かうも、カルト的なファンが集まり店の2階にいるリックにたどり着くためには1階まで長蛇の列ができていて断念。でも、大丈夫。リックの妻であるミシェル・ラミー(Michele Lamy)がサインをくれました。迫力の彼女は一見近寄りがたいけど人懐っこくてオープンな方です。本は、1970年代に活躍した衣装デザイナーのラリー・ルガスピ(Larry LeGaspi)にリックが捧げたもの。購入したので大事に持って帰ります。

21:00
デザイナーのお宅で
アットホームな夜ごはん

 ディナーはカシミヤブランド「アレクサンドラ・ゴロヴァノフ・トリコ(ALEXANDRA GOLOVANOFF TRICOTS)」のデザイナー、アレクサンドラの自宅にお招きいただきました。シェフ手作りの魚のムニエルと蒸し野菜、イチゴのスイーツという、出張中には縁遠い優しい味に癒される~。ホント癒される~。アレクサンドラが作るカシミアのセーターも同じです。シンプルでずっと着られる、優しい服。プレスの吉田瑞代さんとは姉妹みたいでした。

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