ファッション

銀座の繁栄があってこその松屋。今後も街とともに発展したい 秋田正紀/松屋社長

 松屋は昨年、12年ぶりに銀座店の大規模な改装を行い、9月にグランドオープンした。さらに今年4月には、地下1、2階の食品フロアをリニューアル。スイーツと酒類を充実させ、館内の買い回りを強化している。松坂屋跡地を中心とする銀座六丁目の再開発など今後も変わり続ける銀座での松屋らしい打ち出しとは?

 「ギンザ スペシャリティストア」をコンセプトに進めてきた改装が完了し、松屋銀座は新たなスタートを切った。「改装は2008年のリーマン・ショック前から進めていたが、リーマン・ショックや東日本大震災の影響もあり、当初の予定より完成までに時間がかかった。しかし、その結果、むしろ我々にとっていいタイミングでグランドオープンすることができた」と秋田正紀・社長。「特にラグジュアリー・ゾーンに関しては、一度に売り場を広げたからといって、すぐにお客さまがつくわけではない。段階的に時間をかけてフロアを作ったことで顧客作りが奏功した。また、取引先との交渉についても、徐々に完成するフロアを見てもらうことでスムーズにいったケースがある。ただ、消費税増税前にしっかりと売り上げを作りたいということもあり、改装オープンのデッドラインは決めていた」と振り返る。

 増税後は売り上げの落ち込みが懸念されていたが、「消費マインドは上がっているように感じる。増税のために買い物が前倒しになった部分はあると思うが、お客さまが欲しいと思うものをご提供できれば、さらに買っていただける」と話す。改装により、新しい顧客、特にファッション感度の高い客層が増えていることも見逃せない。「まさにリニューアルの狙い通り。『ロジェ ヴィヴィエ(ROGER VIVIER) 』を導入できたことは、今まで銀座に来なかったお客さまの誘致にもつながっている。さらに、靴の強化が認知され、『クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)』や『ジミー チュウ(JIMMY CHOO)』などの2階のインターナショナル・ブランドが好調に推移。3階の婦人靴売り場は売り場面積も増えたので純粋な比較ではないが、6月は前年同月比135.2%になった」と手応えを感じながらも、「お客さまをリピーターにできるかは、これからの我々の腕の見せどころ」と冷静だ。

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