資生堂が同社初のサブスクリプションサービスとしてスキンケアのパーソナライゼーションを実現する「オプチューン(OPTUNE)」を本格スタートさせた。一人一人の肌環境に合わせたケアを専用マシンが提供するIoTスキンケアシステムで、8万通り以上のお手入れアルゴリズムから最適なスキンケアを提供するという、業界的にも画期的なこのサブスクサービス。月額1万円で利用できます。どんなものか体感したいということで、「WWDビューティ」編集部の20、30、40代を代表する記者3人が個人的に申し込み、3カ月間実際に試して肌の状態がどのように変化するかをリポートします。
男性記者K:メンズコスメや小売りなどの担当記者
女性記者N:国内メーカー担当記者
女性記者M:国内メーカー担当、「WWDビューティ」マネジングエディター
攻略法を見つけたり! カメラ計測のパーソナル診断(20代男性記者K)
男性のスキンケア製品の場合、「オプチューン」の処方のようにオールインワンで使用できる製品ってまだまだ少ない印象です。個人的には、使ってみても効果が実感できる製品に中々合えず、何が自分の肌に合っているのかもイマイチ分かりませんでした。その点、「オプチューン」は肌を計測したその日の状態だけでなく気温、紫外線量まで読み取り、その時々の最適な処方してくれるので現在の状態に対して最善のスキンケアができると言えます。夏は皮脂や紫外線で肌の状態も乱れがちですが、それも踏まえて診断してくれるので、テクノロジーの進歩を文字通り肌で感じています。肌の計測にはアプリを起動してiPhoneの外付けカメラを利用するんですが、この診断機能がすごいんです。鮮明に肌表面の状態を読み取ってくれるので初めて計測した画像を見た時は鮮明すぎる自分の肌状態にもう見たくない(笑)という気持ちになりました。
実は、このカメラでの読み取りにも最初は苦戦しました。肌に直接外付けカメラのレンズを当てて徐々に遠ざけていくのですが、なにせ画面が見えてない分どこに焦点が合っているのか分かりずらく……。まっすぐ離さないとエラーや計測不能になってしまうので計測の度に何度もやり直して、忙しい朝は肌診断もおざなりになっていました。でも、ある日、鏡の前で試行錯誤していた時に気づいたんです。鏡越しに移る画面を見ながら計測すれば真っすぐに遠ざけられて計測も容易だと!「オプチューン」を実践しているほかの編集部員にも教えてあげようと少し得意げになった日の朝の計測結果です。ハリや水分量は問題なさそうです。同日の深夜に改めて計測してみても結果はあまり変わりませんでした。一歩ずつですが、毎日使い続けることで見えてくる変化もあると思うので毎日使い続けようと思います。
その日の肌コンディションがグラフで一目瞭然(30代女性記者N)
すでに「オプチューン」生活は約1カ月半が経過。今回は約2週間続けた結果を報告します。使用には肌診断のための撮影が必要ですが、これは必ずしも毎回しなければいけないというわけではないのです。もちろん、使うたびに撮影すれば正確な情報を得ることができますが、私の場合は比較的時間のある平日夜と休日朝の使用時に撮影すると決めています。最初は必ず毎日測定しないといけないと思い込んでいて、そこにストレス感じていたのでですが、こんな風に自分のライフスタイルに合わせてルーティンを決められるところは使い勝手が良いと思いました。
毎日のスキンケアは、アプリ上でDAY・WEEK・MONTH別に管理されています。WEEKでは、肌のキメや水分、皮脂、毛穴がグラフで表れるので日々の変化が一目瞭然。例えば8月のとある1週間では、極端にグラフが下がっている日が。これは飲み会が続いた時の肌診断結果。その日のコンディションがダイレクトに肌に表れています……。グラフが表示されていない日は、お恥ずかしながらサボってしまった日です。過去の肌診断結果や処方された内容はいつでも振り返ることができるので、こうして辛い結果も見返しています……(笑)。
遅ればせながらスタート地点に(40代女性記者M)
前回は設定がきちんとできず、コールセンターに助けを求めたところで終わりましたが、今回はその後の状況から。お盆明け早々に連絡をもらったところ、前回色々対処法を試してもうまく起動しなかったため本体の交換を提案されました。新しい本体が届き、再び設定にチャレンジ!今度はスムーズに設定が完了し、早速使用することに。まずはスマートフォンで肌測定から。初回の肌状態は調子がよかったものの、キメや水分、皮脂、毛穴ともほどほどの結果に……。
「水分が少なめな肌状態です」とのコメントにより、肌の潤いを守るための成分が多めに抽出され、まさにカスタマイズされたスキンケアができます。ただ、気になるのは成分の抽出量。普段ありがたいことに多くの化粧品サンプルを頂くことから、化粧水や美容液をぜいたくなほどの量を使わせてもらっています。それに比べると500円玉大の抽出量では物足りなさが否めないのです。それを資生堂の広報の方に伝えると、元々オプチューンは仕事や家事でスキンケアに時間をとれない女性(または男性)におすすめする時短コスメの役割も果たしているとのことだっただので、しっかりスキンケアをしている私には物足りなさがあるのも納得です。「オプチューン」の肌実感を得るために1週間使い続けると、不思議と物足りなさがなくなっていきました。この500円大の量が私には最適なんだということも分かりました。