資生堂は10月7日、熱で紫外線防御成分が膜内で均一に広がり、紫外線防御効果が高まる新技術を世界で初めて開発したと発表した。同技術は来春発売の日焼け止め製品から順次応用していく予定だ。
日焼け止めに含まれる紫外線防御成分のような分子レベルの成分は、肌に均一に塗布することは非常に困難だという。そこで同社は太陽などから得られる熱エネルギーを利用し、肌表面温度が37℃以上になる環境下で熱エネルギーセンサーが働いて、紫外線防御成分の均一性を分子レベルで向上させることに成功した。
資生堂グローバルイノベーションセンターの長井宏一研究員は、「紫外線量や世界の気温偏差はいずれも増加傾向にある。そんな過酷な環境下でもさらに紫外線をカットできれば、レジャーやスポーツをもっと楽しめると思い開発に至った。同社では2014年に、水や汗に触れても紫外線防御効果が落ちず、逆に高まるという技術を開発した。それに今回の技術を組み合わせ、暑さ・汗・水の3つの力で紫外線防御効果が高まる日焼け止め製品を来春発売する。新技術はメイクなど他のカテゴリーにも応用可能で、それらの応用も検討する」とコメントした。