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パルグループHD3〜8月期、営業利益4割増 4週間MDの精度高まる

 パルグループホールディングス(HD)の2019年3〜8月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比41.7%増の55億円だった。値引きの抑制などによって粗利益率が1.1ポイント改善したことが大きい。連結子会社ナイスクラップの収益改善も貢献した。純利益は同57.5%増の34億円になった。

 売上高は同3.7%増の669億円。新規出店を慎重に行ったため、前期から店舗数の純減が続くが、2ケタ成長を続けるECで増収を確保した。期末店舗数はグループ全体で3店舗減の923店舗。ECを含む既存店売上高は前期比2.7%増で計画を若干上回った。リアル店舗の客単価は衣料事業で4%上昇したが、雑貨事業では1.2%低下。客数はECへの移行が進み、衣料、雑貨ともに減少した。

 セグメント別では衣料事業の売上高が同4.7%増の487億円だった。積極的なブランドプロモーションとMD改革を進めた成果が出た。カジュアル系が総じて好調で「カスタネ(KASTANE)」が同23.4%増、「フーズフーチコ(WHO'S WHO CHICO)」が同28.1%増、「ミスティック(MYSTIC)」が同8.2%増だった。またドレスアップ系ブランドも伸びており「ガリャルダガランテ(GALLARDAGALANTE)」が同5.1%増、「ビアズリー(BEARDSLEY)」が同6.7%増、「ウィムガゼット(WHIM GAZETTE)」が同7.5%増だった。

 雑貨事業の売上高は同1.2%増の181億円だった。昨年は台風による物流への影響で機会損失に見舞われたが、当期は「スリーコインズ(3COINS)」が復調した。

 EC売上高は同27.2%増の87億円。うち「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」が57億円と全体の67%を占める。自社サイト「パルクローゼット(PAL CLOSET)」も20%を超えるまでに成長した。

 粗利益率の改善は全社的な取り組みが奏功した。衣料事業で4週間MDによる在庫管理の徹底により、値引きロスを減らした。ECにおいてもプロパー消化率が改善した。販管費率は1.2ポイント改善。売り上げが見込める時間帯への販売員の効果的な配置や、不採算店舗の撤退、新規出店の条件改善が効いた。

 3月1日にオリーブ・デ・オリーブを吸収合併した連結子会社ナイスクラップは、売上高が同11.4%増の82億円、営業利益が同27.5%増の5億9000万円。パルグループの傘下に入って以降の売上高、利益の過去最高を記録した。

 下期(9〜2月期)は引き続き、4週間MDの徹底と生産プラットフォームの活用、プラスワンカテゴリーの強化、変形労働時間制の構築に取り組む。また、ECは今期目標の売上高200億円に向け、アプリ会員の獲得数も300万人の達成を目指す。店舗数は不採算店舗の撤退が落ち着き、純増になる計画だ。

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