アダストリアの「ニコアンド(NIKO AND…)」は、名古屋のショッピングセンター「モゾ ワンダーシティ」に国内最大となる店舗を10月18日出店する。約2000平方メートルの販売面積は、旗艦店である東京・原宿の「ニコアンド トーキョー」(1150平方メートル)の2倍近い。これを皮切りに他の「ニコアンド」店舗の大型化も進め、コンセプトである“衣・食・住・遊・知・健・旅・音・TOKYO”の世界観を体現する空間づくりをブランド全体で進める。
「モゾ ワンダーシティ店」は広々とした店舗空間を生かし、主力のウィメンズアパレルに加えメンズアパレル、家具、雑貨まで豊富にラインアップ。コッペパンサンド“ニコパン”を提供するカフェも併設する。さらに体験型売り場「ユニークパーク」を設置し、年4回入れ替えでユニークな企画を打ち出す。第1回は人や地球環境に優しいサステイナブルなアパレル、雑貨を国内外から買い付けて紹介するコーナーを作る。「今後はろくろを回して食器を作ったり、DIYを体験したりといった、アパレルの店にはなかったような体験型サービスを提供していきたい」と村上亮ニコアンド営業部長。
年末には、上海に3層約2000平方メートルの旗艦店をオープン予定。今後は既存店舗の標準面積も、現在の100~120平方メートルから1.5倍以上となる250~300平方メートルまで拡大する。現在、ブランド全体におけるアパレル商材の売り上げは50~60%を占めるが、メンズアパレルに加え、家具や食などにも伸び代があるとみて拡充を進める。
店舗の大型化は、14年にオープンした渋谷の旗艦店「ニコアンド トーキョー」の好調が後押しした。店舗を雑誌に見立てて独自の編集スペースを設け、45日スパンで定期的にテーマを変えながら企画を打ち出すことで新鮮な売り場を作ってきた。アウトドアをテーマに1階から2階に通じる階段に滝が流れる演出を施したこともあり、自由でユニークな発想でブランドの世界観を店全体で見せてきた。
村上営業部長が店作りで重要視するのは、「ECでは分からない世界観やブランドの価値を感じて帰ってもらうこと」であり、「外国のお客さまがこの店で楽しんで帰っていただくことで、海外での知名度も高まった」と話す。「いつ来ても面白いと思ってもらう店舗体験が重要。これからも変化を恐れずチャレンジし続けたい」。
なお「ニコアンド トーキョー」では、開業5周年を記念した限定アイテムを10月4日から販売している。グラフィカルな「TOKYO」のロゴをプリントしたフーディー(5600円)、長袖Tシャツ(4300円)、キャップ(2900円)、油性ペン(250円)、iPhoneケース(1500円)などがそろう。