チョコレート業界は、残暑が終わり涼しくなってきた10月からクリスマスやバレンタインに向けて本格的な商戦がスタートする。そのハイシーズンに向け、今から新作発表が行われる。日本に輸入される海外ブランドのチョコレートは多数あれど、“スペイン王室御用達”をうたい格の高さで知られるのが「カカオサンパカ(CACAO SAMPAKA)」だ。同ショコラティエでは毎年10月1日に新作を発表している。東京・丸の内本店で開かれた「2020年 新作発表会」の模様をレポートする。
「カカオンサンパカ」は、スペイン・バルセロナで1920年に創業した歴史あるチョコレートブランド。実はスペインはチョコレート文化発祥の地ともいわれ、バルセロナには名店がそろう。その中でも一つ頭が抜けた存在の「カカオンサンパカ」は、かつてアフリカにあった世界最高峰のカカオ農園の名前を冠し、カカオの文化と歴史を伝える役目を担っている。植物油脂を一切用いず、カカオバターを高配合することでベタつきのないすっきりとした甘さを実現。コーヒーだけでなくワインやラム、シャンパン等との相性もよく、丸の内本店には男性客も多く訪れるという。
ブランドを代表するのが、常時35〜40種類ラインアップするというタブレットシリーズ“ラジョラス”だ。割りやすさと口溶けのよさを考えた厚さ5mmのタブレットは、目を引くスタイリッシュなルックスが特徴的で、ホワイトデー需要ナンバーワンというのも納得だ。タブレットシリーズの中での一番人気は、“ロサス イ フレサス(バラ&いちご)”。華やかな香りがふわっと広がり、サクサクとした食感と共に自然な甘さが口の中に広がる。白とピンクがかわいらしく、そしてホワイトチョコレート特有の強い甘さがないため、幅広い層からの支持を集めているという。
同シリーズは常時全種類が試食可能ということもあって、おすすめを試食してみた。「王のカカオ」と呼ばれるショコヌスコを配合した“ショコヌスコ カカオ70%”は、口に入れると類い稀な香りと味わいが広がる隠れた人気商品。ダーク系ながらも重くなく、カカオの味わいをじっくりと楽しめるバランスのよさが魅力だ。
続いて試食した“メキシコカカオ100%”は、上級者向きと思いきや、味わい深い苦味が病みつきになりそう。「その年ならではの味わいが楽しめると、カカオ高配合のチョコほどリピーターが多い傾向。楽しみながらポリフェノールも摂れるので健康志向の男性にもよく売れている。タブレットシリーズはすべて試食可能なので、今の気分に合う一つをゆっくり選んでほしい」と大橋なみか・営業企画部担当。まるでワインや香水のように、マニアックに掘り下げたくなる世界が広がっている。
スタイリッシュでクールな印象の「カカオサンパカ」だが、クリスマスシーズンにはベアをかたどった愛らしいチョコが登場する。昨年限定で発売したところ好評を博し、今年は2サイズ、各3種、計6種を発売。チョコレートには7mmの厚さがあり、食べ応えも十分だ。価格も大きいサイズで1万円前後、小さいサイズで2916円とあって、人とはちょっと差をつけたいギフトとして最適だ。
「カカオサンパカ」は、来年が創業100周年のメモリアルイヤー。伝統と革新を重んじながら独自の世界観を確立するショコラィエの次なる展開に注目だ。
CACAO SAMPAKA(カカオサンパカ)
住所:東京都千代田区丸の内2-6-1丸の内ブリックスクエア1F
TEL:03-3283-2238
営業時間:11:00~20:00