ダイバーズウオッチは夏に海辺のリゾートで、それこそダイビングの時に着けるもの――そう思う人がほとんどかもしれない。ネーミングゆえに仕方のないこととも言えるが、さにあらず!例えば「セイコープロスペックス(SEIKO PROSPEX)」はメンズファッション誌の「オーシャンズ(OCEANS)」(10月25日発売の12月号)と組んで、“冬こそダイバーズ”というキャンペーンを行う。また1951年デビューの日本の機械式時計ブランド「オリエントスター(ORIENT STAR)」も、2019-20年秋冬の新作として“ダイバー”を発売した。「オリエントスター」の村内徹マネジャーは「ダイバーズウオッチは“夏のアイテム”から、時計の定番カテゴリーの一つになった」と言い、「セイコープロスペックス」の有馬広智・広報担当は「ダイバーズウオッチを夏だけのものにしているのは、もったいない!」と話す。
ダイビングは“かつて”夏のスポーツだった。夏以外に海に潜るなんて寒すぎて無理だったからだ。しかし断熱性に優れたドライスーツの普及により、水温の低い春や秋冬でも楽しめるようになった。ベテランダイバーの中には、水の透明度が格段に上がることから「冬こそダイビング」と言う人も多い。
またダイバーズウオッチは、タフネスにおいて最強の時計とも言える。高い水圧に耐えるケースや厚い風防、ねじ込み式のりゅうずはマリンスポーツはもちろん、キャンプやサファリツアー、さらには登山や極地探検まで過酷なフィールドワークに対応する。つまりダイバーズウオッチ=アドベンチャー時計なのだ。実際、日本の南極観測隊は1965年にセイコー(現セイコーウオッチ)が開発・寄贈した国産初のダイバーズウオッチを装備品として使っていたし、冒険家の植村直己が70年に日本山岳会の隊員としてエベレストに登頂した際、同社のダイバーズウオッチを着用したのは有名な話だ。
その上、昨今のダイバーズウオッチはファッション性にも優れる。ハイスペックなのに薄くて着けやすく、文字盤のカラーバリエーションも豊富だ。ビジネススタイルにマッチするモデルもある。ホリデーシーズンに向け、“冬でもダイバーズウオッチ”の波に乗ってみてはいかがだろう?