高島屋は11日、港南台店(神奈川県横浜市)を2020年8月16日に閉店すると発表した。また子会社である米子高島屋(鳥取県米子市)の全株式を売却する。両店とも採算の抜本的な改善が見込めないと判断した。先日のそごう・西武の5店舗など地方・郊外立地の百貨店の閉店が相次いで発表されており、あらためて百貨店を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった。
港南台店は横浜郊外のJR港南台駅前に1983年に開業。売り場面積8214平方メートルで、ピーク時の90年代前半の売上高は約140億円だった。地元密着型の店舗として営業してきたが近年は苦戦が続き、売上高は79億円(19年2月期)に落ち込んでいた。同店のサテライト店舗で、ららぽーと海老名内で営業するタカシマヤスタイルメゾン(神奈川県海老名市)も20年2月16日に閉める。
米子高島屋の株式は地元企業のジョイアーバン(宇田川正樹社長)に20年3月1日付で譲渡し、屋号を「ジョイアーバン米子高島屋」として営業を継続する。高島屋はジョイアーバンと商標等ライセンス契約を結び、「高島屋」の名前を残す。米子高島屋も長らく低迷が続いたため、米子市に別館を譲渡するなどの手法で再建を模索してきたが、都市再生に関心の高い地元企業に委ねるのが最善と判断した。