キューサイは、ロゴとコーポレートスローガンを刷新する。創業55年目の節目としてさらなる成長を目指したもので、“青汁”のイメージを脱却するため、青汁事業からケール事業への転換や新事業の創造、顧客接点の拡大を図っていく。
キューサイは、82年に冷凍タイプの青汁「キューサイ青汁」を発売以来、延べ1000万袋以上を販売している。90年の「まず~い、もう1杯!」のCM放送から青汁のイメージが強い同社だが、製品別売り上げ構成比は青汁を含む「ひざサポートコラーゲン」を主力にするヘルスケアが51%、「コラリッチ」を中心とするスキンケアが46%とスキンケアも大きなシェアを占める。同社の神戸聡・社長は、「ビジネスの実態と生活者とのイメージに大きな乖離があることを事業課題とし、青汁だけの会社というイメージからの脱却と課題解決のために、既存事業の進化・新事業の創造・顧客接点の拡大の3つの取り組みを行っていく」と意気込む。
既存事業の進化では、青汁事業からケール事業へ変更し、第1弾アイテムとして既存の青汁製品を「ザ・ケール」に刷新する。20年1月から順次切り替えを行い、ドリンクとしてだけではなくより幅広い事業展開を進める。また、新スキンケアブランド「スキンケールド」をスタートさせ、10月16日に化粧水「バランシングローション」を発売。30~40代女性をターゲットに設定し、「コラリッチ」に次ぐスキンケアブランドに育成する。さらに「ひざサポートコラーゲン」も全面リニューアルし、今後はロコモ(運動器症候群)対策だけでなくコラーゲン素材を中心に製品展開する予定。
新事業の創造では、新たに医薬品通販をスタートさせる。これまでの通信事業ノウハウを生かし、医薬品を提供したり電話でお客の悩みを医薬の専門スタッフが応えたりする。また、グループ会社のキューサイ分析研究所が今年12月から味分析マリアージュ、20年1月から食品遺伝子検査をスタートする。
顧客接点の拡大では、21年までにスキンケア製品を現在の92店舗から約3倍の280店舗、ヘルスケア製品を現在の114店舗から約40倍の5000店舗に拡大して、バラエティーショップ・ドラッグストア・スーパーへの販路を広げる。
さらに創業55年目を迎え、新ロゴを英字の“QSAI”に、新コーポレートスローガンを“生きるを、しなやかに。”に設定。「どんな状況でも柔軟な“しなやかさ”をお客さまに提供したい。そして“しなやかな”企業であり続けたいという思いを表現した。新ロゴの“Q”はQuestion=常に問いかけること、Quest=探求していくこと、Quality=高い品質であることの3つの思いを込めた。コーポレートカラーには原点である青汁を想起させる緑色と地球を想起する青色の中間色を“QSAIブルー”として採用している。この刷新で、“お客さまのしなやかな生き方をかなえ、支える会社”とイメージ転換していく」と語った。