「シャネル(CHANEL)」は10月19日~12月1日、巡回展「マドモアゼル プリヴェ/ガブリエル シャネルの世界へ(MADEMOISELLE PRIVE TOKYO 以下、マドモアゼル プリヴェ)」を東京・天王洲アイルのB & Cホールで開催します。「マドモアゼル プリヴェ」とは、パリのカンボン通り31番地4階にあるガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)のアトリエの入り口に掲げられた言葉で、展覧会ではオートクチュール、フレグランス、ハイジュエリーの世界を巡るものになっています。今回、開催に先駆けて中の様子をリポートします!
天王洲運河に面した会場はパリにあるアトリエをイメージし、外壁・内装含め全てパリから職人が来日して仕上げたもの。会場はパリのアパルトマンからインスパイアされ、メゾンにとってゆかりのある5つの色をイメージした5つのゾーンに分かれています。中に入ってまず客を迎えるのは、大きな階段です。実際の階段はまっすぐ立っていますが、ある位置に立つと、壁に描かれたイラストがパリのアトリエにある螺旋階段に見える仕組みになっています。その階段を上がると、今回のメインテーマでもあるアトリエの扉が登場。この扉、目を凝らしてみると、実は全て細かなビーズを刺しゅうして作っているのです!「シャネル」はアトリエ ルサージュ(ATELIER LESAGE)とアトリエ モンテックス(ATELIER MONTEX)と2つの刺しゅう工場を抱えており、ルサージュは伝統的な刺しゅう、モンテックスは立体的な刺しゅうを得意とするそうです。今回の展覧会では、この2つの工場が作るオートクチュールピースも数多く登場します。
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1つ目の部屋は白の部屋。ガブリエルが好んだ色の一つであるホワイトはフレグランス「シャネル ナンバー5」の外箱にも採用されています。部屋にはカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手掛けた2018-19年秋冬オートクチュールコレクションのエレガントなガウンやコートなどが展示されています。そして今回の展覧会のために特別に製作した、ビーズの刺しゅうマスクも見所です!この巡回展は過去にロンドンや香港でも開催されていますが、クチュールの職人技が光るマスクは東京でのみ展示するそう。各部屋にそれぞれのテーマに合わせたマスクが展示してあるので、ぜひ探してみてください……!また、同じ部屋には1932年にガブリエルが唯一発表したハイジュエリーコレクション「ビジュー ドゥ ディアモン(ダイヤモンドジュエリー)」とともに「ナンバー5」の900mLサイズボトルが飾られています。
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次はベージュの部屋。ガブリエルが休暇を過ごしたリゾート地の砂を思い起こさせるサンドベージュも彼女のお気に入りだったそう。メゾンを代表するツイードのセットアップやイブニングガウンが上品で柔らかなベージュカラーに染まっています。ドレスには木製のビーズとクリスタルが細かく刺しゅうしてあり、間近でみるとその美しさに思わずうっとりしてしまいそうです……!ちなみに全ての部屋にもダイヤモンドのネックレスと「ナンバー5」が登場します。
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1階に降りると、黒い部屋に進みます。ここで注目なのは、製作になんと1245時間を費やしたブラックのツイードセットアップです!一体何日かかったのだろう?少なくとも2〜3年以上かかったと思うのですが、そんな貴重なピースも間近で見ることができるのです。今回の展示では、ジュエリー以外はガラスケースに入っておらず、普段はなかなか目にすることのないオートクチュールのディテールを観察できるのもぜいたくですね。その次の赤い部屋では、7月に発表されたばかりの2019-20年秋冬オートクチュールコレクションにも登場した、レースとボレロにメタリックペイントしたドレスや、花をかたどったピースを1つずつ手作業で縫い上げた華やかなドレスが登場します。最後のゴールドの部屋には、ゴールドのラメが煌びやかに光るツイードのセットアップや花飾りとスパンコールの刺しゅうが施されたレースのロングドレスに注目です。
全ての部屋を回った後には、今回の展覧会のスケッチやインスピレーション源となった写真が壁一面に飾ってあり、製作工程を垣間見ることができます。そしてその壁の裏には、目玉の一つでもあるワークショップスペースが広がります。展覧会自体も無料で驚きましたが、オートクチュールの刺しゅうやハイジュエリーにちなんだ金箔貼り、フレグランスのボトルのボードリュシャージュ(密封作業)体験もなんと無料で(申し込み制)できるそうです!しかもパリ本場から職人が来日して直接丁寧に教えてくれるという、なんともぜいたくな経験ができるそうです。すでに応募がかなり集まっているそうなので、体験したい人は早めに申し込むことをオススメします!また、来場者全員には、キャンバス製のポーチと、今回の展覧会の概要を載せたブックをプレゼントしています。
以上、駆け足でのリポートとなりましたが、いかがでしたでしょうか?オートクチュールのピースを間近で見ることができるのはなかなかないですし、ましてや世界トップのメゾンが誇る技術が見れるのは貴重な経験かと思います。会場にはQRコードを読み込んで音声ガイドを聴くことができるので、ぜひ会場に足を運んでもっと詳しく「シャネル」のオートクチュール、ハイジュエリー、そしてフレグランスの世界に触れてみるのはいかがでしょうか?
■マドモアゼル プリヴェ展 / ガブリエル シャネルの世界へ
日程:10月19日~12月1日
会場:B & Cホール-天王洲アイル
住所:東京都品川区東品川2-1-3
時間:11:00-20:00 (最終入場19:30) 入場無料