ケニアの男子フルマラソン選手エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)が、非公式ながらフルマラソンで1時間59分40秒を記録し人類初の“2時間切り”を達成した。
今回の記録は“2時間切り”を達成するための非公認レースで、オーストリア・ウィーンの起伏が少なく直線の多いコースが選ばれた。達成のためには1kmを約2分50秒のペースで走る必要があることから、村山紘太選手をはじめとした40人体制のペースメーカーがキプチョゲをサポート。さらに、先導車がペースの目安となるライトを地面に照射し続けるという好条件下でのレースだった。その結果、キプチョゲは10kmを28分20秒、20kmを56分47秒、30kmを1時間25分11秒、40kmを1時間53分36秒という脅威的なスピードで通過し、見事42.195kmを1時間59分40秒で走りきった。
記録と同時に注目を集めたのが、足元のシューズだ。キプチョゲが履いていたのは、先日東京で行われたマラソン大会「マラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship)」で多くの選手が着用し話題となっていた「ナイキ(NIKE)」のランニングシューズ“ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%(ZOOMX VAPORFLY NEXT%)”の後継モデルと思われる一足。フライニット製のアッパーに、ヒールは昨今のランニングシューズのトレンドである厚底の一歩先を行く“超”厚底で、前足部には“エア マックス(AIR MAX)”を想起させる可視化された“エア”が確認できる。「ナイキ」の公式サイトには「“ネクスト%”のフューチャー エディション」とあることから、まだ正式なモデル名が付けられていないようで発売日や価格も不明だ。
キプチョゲが持つ男子フルマラソン公式世界記録の2時間1分39秒をはじめ、歴代TOP5の記録はここ1年で4選手が生み出し、いずれの選手も「ナイキ」のシューズを着用。昨年日本記録を更新した大迫傑選手も、先日16年ぶりに女子フルマラソン公式世界記録を更新したブリジット・コスゲイ(Brigid Kosgei)も「ナイキ」を履いており、トップ選手の間では「ナイキ」がダントツのシェア率を誇っている。