9月26~27日に開催された下着や水着、アクティブウエアの素材見本市「アンテルフィリエール(INTERFILIERE)上海」で、「ヤングレーベルアワード」が発表された。同賞は昨年から設けられたもので、デビュー10年未満のアジア太平洋地域の有望なブランドに与えられる。下着、水着、アクティブウエアのカテゴリーから13ブランドがファイナリストに選出され、日本の下着ブランドである「マイミア(MAIMIA)」が3位を受賞した。1位は中国の下着ブランド「ザ ブレンダー(THE BLENDER)」が、2位は同じく中国の「ヤランカ ニューライフ(YALANKA NEWLIFE)」が受賞。素材展の初日に授賞式が行われた。
3位に選ばれた「マイミア」は昨年デビューしたばかりのブランドで、自社オンラインショップや原宿のランジェリーセレクトショップ「イルフェリーノ(IL FELINO)」で販売しているほか、百貨店などでポップアップショップを開催している。色鮮やかなサテン地にフレンチリバーレースを配した繊細なデザインと独特のカラーコントラストを特徴とする独自の世界観を築いている。審査員からはそのブランディング力が評価された。デザイナーの神成は、「昨年5月にブランドを設立したばかりだが、世界中から集まった審査員に評価してもらい、とても驚いている。『マイミア』は純粋に自分の“欲しい”“好き”から生まれたブランド。国やバックグラウンドが違う人々に共感してもらい心からうれしい」と語った。同ブランドには副賞として、来年6月に開催される「ユニーク バイ モードシティ(UNIQUE BY MODE CITY)」への出展権が授与される。神成は「(それを)一つの目標として今後商品構成も充実させ、さらに多くの人にブランドを知ってもらえるよう準備する」と言う。
また同展では、主催者のユーロヴェット(EUROVET)がセレクトした5 つの中国ブランドを紹介するエリア「ジ エッセンス(THE ESSENCE)」が設けられた。中国はここ数年で、世界の工場から世界で最も急速に発展している市場へと変化した。このような状況下で生まれた中国ブランドは強いアイデンティティーと共に国際的な舞台に進出しようとしている。「ジ エッセンス」は、それらブランドに機会を提供するのが目的だ。5つのブランドの中で、洗練されたデザインと品質や規模で群を抜いているのが、2012年に創業し現在中国国内で55店舗を展開する「ネイワイ(NEIWAI)」だ。漢字では「内外」と書き、下着、パジャマ、部屋着、アクティブウエアを展開している。リュウ・シャオルー(Liu Xiaolou)最高経営責任者(CEO)は、同展でもトークショーに登壇するなど注目される存在だ。同ブランドは「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」にも出展しており海外進出にも意欲的だ。もちろんすべての中国ブランドが「ネイワイ」に準ずるとは言い難いが、そのクリエイティビティーが日本に比べ遅れているという先入観は捨てるべきだろう。生産力と開発力を武器に世界へと飛躍するであろう中国ブランドに注目したい。
川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身