ファーストリテイリング傘下のジーユー(柚木治社長)が復調している。同社といえば2015年春のガウチョ、16年春のスカンツのヒットのイメージが強いが、それ以降は出店効果で売上高に相当する売上収益は伸ばしつつも、利益は下降し足踏み状態が続いていた。しかし、18年9月~19年2月は売上収益が前年同期比10.7%増、営業利益が同54.3%増と大幅な増収増益を達成。下期(19年3~8月)も「強い業績回復」を見込む。分かりやすいヒット商品が思い浮かばない中で復調に導いた大きな要因は、予測を外した時の修正力を高めたこと。柚木社長に聞いた。(この記事はWWDジャパン2019年6月3日号からの抜粋です)
そもそも、17年以降の苦戦の要因は何か。ガウチョ、スカンツ単品に頼った好調の後、同社は品番数を拡大し、トレンド全方位型の発信に切り替えていた。「客が進化・変化し、企業側のトレンド提案に乗らなくなってきた。消費者自身がインスタグラムで発信を始めた」ことで、トレンドの細分化が加速し、もう単品訴求は効かないと判断したことが背景にある。もちろん、提案を広げた中でヒットもあった。しかし、「当たるとすぐに欠品し、外すと値引きで利益にならない」。それで不振に陥った。
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