今年70周年を迎えた「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は10月23日、2020年春夏コレクションショーを東京・新豊洲Brilliaランニングスタジアムで開催した。アンドレア・ポンピリオ(ANDREA POMPILIO)=「オニツカタイガー」クリエイティブ・ディレクターは、創設者の鬼塚喜八郎にオマージュを捧げ、ファッションとスポーツ、ヘリテージ(伝統)とイノベーション(革新)の融合という「オニツカタイガー」のコンセプトを作品と演出で鮮明に表現した。
幻想的なブルーの光で近未来的に演出された60mのトラックをランウエイとして行われたショーは、マーチングバンドの演奏と共に、アクロバティックなラートやトリッキングといったアーバンスポーツのパフォーマンスで幕を開けた。同コレクションのデザインは、さまざまなスポーツのユニホームからインスピレーションを得ている。バスケットボールのユニホームのメッシュ素材からインスパイアされたタンクトップとショートパンツのほか、デニムのカーゴパンツはクライミング、フィット感のあるマルチカラーのTシャツはレーシング、中綿入りのジャケットは馬術、透明な素材を用いたコートはセーリング、そしてフェミニンで華やかなサテンのイブニングドレスはボクシングローブから着想を得るなどスポーツの多彩な表現に約450人のゲストが拍手を送った。
ポンピリオ=クリエイティブ・ディレクターは、「『オニツカタイガー』の原点でもあるスポーツのさまざまな要素をミックスした。スポーツの機能があるわけではないが、若々しい躍動感のあるシックでリラックスした新感覚のカジュアルだ。今年から来年にかけてスポーツの国際的な一大イベントが相次いで行われる日本は、スポーツに対する関心が高まっている。人を魅了するスポーツは重要なトレンドになると思う」と話した。2013年から協業している「オニツカタイガー」の今後については、「世界をリードするグローバルなファッションブランドにすることだ。来年は私の地元であるイタリア・ミラノに出店を計画している。私はエキサイティングな挑戦が好きだ。既存店とは違う、『オニツカタイガー』を代表するグローバルな旗艦店としたい」と意気込みを語った。