1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。
今日のニュース:P.4「服レンタルのエアクロ、上場視野に」
読み解きポイント:「元祖ファッションテック企業はみんなの希望となるか」
ニュースのポイント
女性向けファッションレンタルサービスのエアークローゼットが、株式の新規上場の準備を着々と進めている。すでに具体的な段階に入っており、1〜2年をかけて上場する準備に入った。会員数は現在20万人を超え、上期の売り上げは15億円。会員数、売り上げともに前年比約60%増と着実に成長している。今年に入りL〜3Lの大きいサイズ対象の「プラスサイズプラン」を開始したり、手持ちの服をエアークローゼットのスタイリストに共有できる「Myクローゼット機能」を追加したり、新サービスのリリースも相次いだ。多くのブランドから「エアークローゼットのプラットフォームを利用してレンタルサービスを行えないか」という問い合わせもあり、外部ブランドへのシステム開放が今後の成長の鍵となる。
Azuはこう読む!
エアークローゼットがサービスを開始したのは2015年2月。まさに日本で「ファッションテック」という言葉が出始めた「ファッションテック元年」だと記憶していますが、とうとう上場準備を開始と……!私もファッションテックと括られる分野でほぼ新卒時代からキャリアを積んでいるので、なんだか勝手に感慨深い気持ちになりました……。憧れていた親戚のお兄ちゃんが、結婚して遠い街に引っ越してしまうという噂を聞いた時のような……。
ベンチャー企業にとって、上場はひとつのゴールでありスタート地点ですが、それを叶えるのはジェットコースターに乗りながら針の穴に糸を通すより難しいことです。特に起業のハードルが低くなり投資を受けやすいベンチャーバブルと呼ばれる今、流星のように生まれては消えていく会社をいくつ見てきたことか……。若手ブランドも……。そう考えると「色々あったけど4年も続いていてすごいなー、弊社」など思います。だってそれはもう馬車馬のように……(略)。
という自社の自慢はさておき、このニュースがかつて「ファッションテック」と呼ばれたわれわれファッション系ベンチャーの希望となってくれるのは間違いありません。ここに上がった数字以外を見るなど、読み方によっていくらでも粗は探せるかもしれませんが、ファッションの課題をITの力で解決する会社の成功例として突き進んでほしいです!
ちなみに私は、ファッションレンタルサービスを使ったことがありません。題にあるようにファッションフリーク女子としてやらせていただいてるので、着る服は呆れるほどあるからです。ただ先日の東コレ取材では、「あえてめちゃくちゃOLな服を着てフロントローに座ったら、どういう気持ちになるのか?」という謎の実験を試みたくなったので、エアークローゼットのサイトを開いてプランまで閲覧したのは事実です。派手な服を着るファッションフリークOLが綺麗めコンサバOLとして一週間過ごしたら、どんな心情の変化が起きるのか?サービス利用の感想とともに、この連載で綴る日も近いかもしれません。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne