ビューティ

コラボサロン「ゲーム」 “同年代集客”で快進撃が続く

 ヘアサロンの「ガーデン(GARDEN)」と「マジコ(magico)」がサロンの垣根を超えてコラボレートし、今年2月にスタートさせたヘアサロンブランド「ゲーム(GAME)」。その第2弾となる美容室「ゲーム ヨコハマ」が8月に横浜市西区にオープンした。どちらの店舗も好調で、その成功要因は独自のスタッフ採用および集客の方針にあるようだ。

WWD:「ゲーム」のコンセプトは?

上原潤一郎「マジコ」代表(以下、上原):「マジコ」が得意とするユースカルチャーから影響を受けたヘアデザインと、「ガーデン」がニューヨークで培ってきたヘアデザインをミックスした“原宿ユースカルチャー”を日本から世界へ発信していくことです。

WWD:2店舗目をオープンしたが、コンセプトは同じなのか。

上原:第1弾の美容室「ゲーム バイ アランスミシー(GAME by Alan Smithee)」は東京・原宿にオープンし、原宿カルチャーのトレンドセッターたちの“なりたいヘアデザイン”をかなえてきました。第2弾はそのコンセプトを横浜に移し、横浜でおしゃれを楽しむ10~20代を集客しています。横浜は原宿と同様に、駅周辺におしゃれな若者の数が多く、当サロンとの親和性が高い。「ゲーム バイ アランスミシー」がディズニーランドなら、「ゲーム ヨコハマ」はディズニーシーのイメージで考えています。2月のオープン以来、「ゲーム バイ アランスミシー」は毎月約1000人の新客が来店するほど好調なので、「ゲーム ヨコハマ」のスタッフ採用や集客などは同様の方針を採用しているんです。

WWD:その方針とは?

上原:スタッフ採用と集客を連係させて考えるのが「ゲーム」の特徴で、キーワードは“同年代”。美容師はどんなに技術が高くても、お客さまと年齢が離れると、“かわいい”と感じるニュアンスというか感覚が、どうしてもズレてしまうと思っているんです。お客さま側からいうと、同年代で自分と似た感性を持つスタッフに担当してもらうのが一番安心できる。美容師側からいっても、作品で自分の感性を伝えて、それに共感してくれる同年代のお客さまを担当したいと考えている人が、特に若い美容師の中に多い。双方のニーズをマッチングさせたのが「ゲーム」のスタッフ採用と集客の特徴で、自分のインスタグラムなどのSNSを使って自由に集客できることを売りにスタッフ募集をかけるんです。そうするとSNSに自信のある若いスタッフが入ってくれて、一人一人が同年代のお客さまを呼んでくれる。そうした感度の高いお客さまはSNSを使いこなしているケースが多いので、そこからまた拡散してくれる。この一連の流れが「ゲーム バイ アランスミシー」の好調の要因だと考えています。

WWD:インスタグラムは予約や集客に活用できる?

上原:予約に関しては、最終的には「ホットペッパービューティー」から行う人が多いですが、「ホットペッパービューティー」のギャラリーの作品を見て美容師を選んでいる若年層のお客さまは少ないと分析しています。美容師個人のインスタグラムを見て選んでいる人が圧倒的に多いので、インスタは集客ツールとして活用できますね。

韓国風デザインカラーに着目

WWD:SNSにはどういったものを投稿している?

上原:SNSにアップする作品で、特にこだわっているのがカラーデザインです。今の10代~20代前半の感度の高いお客さまは、カットのディテールなどにはほとんどこだわっていないんです。熱く注目しているのがカラーデザインで、できれば毎日メイクを変えるような感覚で、髪色も変えたいと考えている。実際、ブリーチやダブルカラーの作品をアップすると反応がいいですし、カラーをオーダーするお客さまの7~8割がダブルカラーを希望しています。彼女たちがイメージしているのは韓国系アーティストのカラーデザインで、オレンジやピンク、イエロー系の人気が高いですね。「ゲーム ヨコハマ」のイメージビジュアルでも、韓国っぽいカラーデザインを前面に打ち出しているほか、トリートメントでも韓国発のものがよく売れています。SNS集客に対する需要や韓国スタイルの人気などは、これまでも何となくは認知されてきましたが、コンセプトに明確に取り入れたサロンは珍しいと思います。

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