11月1日に、渋谷の新ランドマークとなる駅直結の複合施設「渋谷スクランブルスクエア」がオープンする。同施設の商業エリアにどんなテナントが入るかは開発が決まった数年前から話題になっており、11月末にリニューアルオープンする渋谷パルコ、2020年に三井不動産が宮下公園跡地に開業する新商業施設との三つ巴での“有力テナントの引っ張り合い”が水面下で繰り広げられてきた。なかでも熾烈な戦いがウワサされていたのが、商業施設の顔ともいえるラグジュアリーフロアだ。果たして、同施設のラグジュアリーフロアにはどんなブランドが出店しているのか。各ブランドの注目の限定商品なども含め、一挙紹介!
渋谷スクランブルスクエアのラグジュアリーフロアのメインは、駅の改札階である3階だ。そう聞いても「ふーん、そうなんだ」程度に思う人が大多数だろうが、一般的に百貨店などで大型のラグジュアリーブランドが入るのは1階。ゆえに、いくら駅直結とはいえ3階にラグジュアリーブランドを招くためには、なかなかタフな交渉があったという話も聞く。3階全体としては男女複合で出店しているブランドが多い点が特徴で、ここ数年のファッションのジェンダーレス化を反映している。
駅の改札口から続く出入口すぐの場所にまずあるのが「サカイ(SACAI)」だ。ウィメンズ、メンズの複合での出店で、複合店は国内では青山の路面旗艦店に続きここが2店舗目となる。内装はこれまでのショップと同様、コラージュ/DIYアーティスト集団のGELCHOPが手掛けており、ビンテージの木製のチェストやカーペットなどと、無機質なスチール、ミラー、コンクリートなどとを組み合わせているところがポイント。「サカイ」ならではの“ハイブリッド”の美学を内装でも表現している。ヒット間違いなしなのが、同店限定商品のダウンジャケットだ。デニム素材を一部に組み合わせたデザインで、ウィメンズが12万9000円(税込み)、メンズ14万3000円。
同じく入り口すぐにあるのが「バレンシアガ(BALENCIAGA)」だ。同ブランドはメンズ・ウィメンズの複合出店の先駆け的存在であり、もちろん渋谷スクランブルスクエアも複合での出店。ウエアから人気のスニーカー、ミニ財布などの革小物までフルアイテムがそろい、内装はスチールなどを多用しインダストリアルなムードが漂う。スニーカーやロゴ入りキャップなどが20代など若年の客に人気となっているが、同店では、特に若い層を狙うといった狙いはないという。渋谷地区では、西武渋谷店にも男女複合ショップを構えている。
2階からのエスカレーター前にあるのは「ジバンシィ(GIVENCHY)」。常設店ながら“ポップアップ”をコンセプトとしており、シーズンごとにインテリアを変えていくという。オープン時に打ち出すのは、ブランドのシグネチャーである白と黒を主役にした内装。クチュールを顧客に納品する際に使われるという大型ギフトボックスをイメージした什器もポイントだ。商品は、スエットトップスやナイロンバッグ、スニーカー、可愛らしい動物モチーフの革小物など、若い男女に支持されそうな商品や限定商品を充実している。オープン時の限定商品は、世界中で同店でしか買えないというチェーン柄を配したスエットトップス13万8000円(本体)。
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、バッグ、シューズ、革小物、サングラス、香水など、ウィメンズのアクセサリーのみに絞って出店。人気の“ロックスタッズ”のバッグやパンプスなど、定番とも呼べる商品が充実している。オープン時に同店限定カラーで打ち出すのは、ラズベリーピンクの“ロックスタッズ”のショルダーバッグ。価格は14万7000円と、同ブランドの中では若年層にも買いやすい。他は、新作として押しているVのロゴが入ったハンドバッグやスニーカーなどがそろう
「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」もウィメンズ、メンズの複合での出店。複合店は都内では青山の路面旗艦店に次いで2店舗目。同ブランドといえばサステナビリティの先駆者だが、壁面に備えられている棚がハンガーラックとしても使えるなど、工事を伴わずに内装を変えられるという点もサステイナブルだ。内装全体としては、ステラが子どもの頃に遊んだという公園のイメージ。オープン時の目玉商品は、“ファーフリーファー”を使った日本限定の“ファラベラ”のミニバッグ(13万5000円から)や、ステラの夫、アラスデア・ウィリス(Alasdhair Willis)がクリエイティブ・ディレクターを務める「ハンター(HUNTER)」とのコラボレーションブーツなど。
3階は他に、男女複合の「サンローラン(SAINT LAURENT)」、ジュエリーの「ブルガリ(BVLGARI)」「ティファニー(TIFFANY)」、スニーカーなどのメンズ商品も充実する「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」、コスメの「ディオール バックステージ ストゥーディオ(DIOR BACKSTAGE STUDIO)」など。
4階にもラグジュアリーブランドが出店している。「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は、世界初のコンセプトショップ、「エンポリオ アルマーニ サテライト(EMPORIO ARMANI SATTELITE)」を出店。オープン時は“旅”をテーマにしており、ポップな色調の什器や空港にありそうなイスなどを配した内装をポイントにした。内装と共に注目したいのが、11月7日から世界10都市のみ、日本では同店のみで販売するというカプセルコレクションの“エンポリウム”だ。BICとコラボレーションしたボールペン、ポラロイドとコラボしたカメラなど、その道のプロのメーカーと組んだ200以上のアイテムがそろう。他に、サッカーボールやフリスビー、ペット用品、iPhoneケースなどがある。