繊維・化成品の商社、蝶理の2019年4〜9月期は、売上高が前年同期比5.1%減の1643億円、営業利益は同12.3%増の46億円。セグメント別では、繊維事業の売上高が同2.7%減の556億円、営業利益が同11.6%増の21億円で減収増益だった。
先濱一夫・蝶理社長は「アパレルの市場環境が厳しい中、ODMとOEMの事業が健闘し、ほぼ前年並みを確保した。大量生産の時代ではなくなり、受注を絞って利益率を向上させた効果が出ている。力を入れているグローバル展開は、ベトナムを中心とするアセアンが拡大し収益率は上がったが、計画値は未達だ。次にやることは明快。伸びしろのある海外事業を強化したい」と話した。中国以外の地域の取引額は、同7.3%増の138億円と伸長している。昨年は台湾に現地法人を設立したほか、蝶理ベトナムを核としたテキスタイルビジネスの拡大、インドネシアにおけるテキスタイル染色事業やユニホーム生地の開発、バングラデシュにおけるワーキングウエアやTシャツの生産基盤の強化を図るなど、アセアンにおける素材調達戦略を固めている。最適地調達・最適地生産による素材提案強化を目的とする“グローバル ワンストップ蝶理”を掲げたサプライチェーン・マネジメントの精度を高めていく考えだ。
中期経営計画の最終年度となる20年3月期の売上高は同3.8%増の3700億円(そのうち繊維部門は1300億円)、営業利益は同3.1%増の83億円を見込んでいる。