三越伊勢丹は、オンライン上で完結する紳士服のカスタムオーダーサービス「ハイ・テーラー(HI TAILOR)」をスタートした。まずオーダーシャツを発売し、2020年春にオーダースーツの取り扱いを開始する予定だ。ターゲットは、eコマースやキャッシュレス決済に抵抗がない20代から30代のビジネスパーソン。オーダーサービスの敷居の高さや来店までの手間をなくし、手軽にシャツやスーツを選んでほしいという思いから生まれた。
TOZI社の“1Measure”を採用した自動採寸によるオーダーの流れは、まずデザインを決め、次に身長と体重を入力して写真を2枚撮る。あとはスリムやレギュラーなどフィットサイズを選び、最短3回のタップで完了する。生地は無地やストライプなど幅広く90種類以上をそろえ、衿やカフスなどのデザインカスタマイズは3240通り。迷ったらスタイリストレビューに相談でき、三越伊勢丹の紳士服売り場のベテランスタッフが即日から2営業日以内で回答する。
商品のデザインは、イタリアのブランド「ルイジ・ボレッリ(LUIGI BORRELLI)」を手掛けるファビオ・ボレッリ(Fabio Borelli)が監修し、縫製は三越伊勢丹のオーダーシャツも製造している老舗オーダーシャツ専門工場のフレックスジャパン長野本社工場が手掛ける。
最短3週間で客の手元に送られ、中心価格は8900円。店頭販売している1万5000円のシャツに相当するという。オーダースーツの中心価格は、4万5000円となる予定だ。
最近、スーツのカスタムオーダーを手掛ける企業が増えているが、「ハイ・テーラー」の特徴について、横山達也・三越伊勢丹デジタル事業部新規事業ディビジョンパーソナルオーダーマネージャーは「三越伊勢丹が蓄積した約20万件以上のオーダーデータや店頭のベテランスタッフの知見を総合して生まれた商品、百貨店独自のネットワークや接客のノウハウを体系化したシステム構築は大きな差別化になる。既製のスーツの需要は下降気味だが、オーダースーツのニーズは高まっている。ライバルは多いが、百貨店の強みを発揮していきたい」と話した。
デジタルを生かしたオンラインビジネスは、2021年を最終年度とする中期経営計画の重要事業となっている。
営業目標は、シャツとスーツを合わせて売上高25億円を目指している。