1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。
今日のニュース:P.6「小売店に“体験”が必要な理由」
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読み解きポイント「お客様だけではなく、スタッフだって体験したい」
ニュースのポイント
ファッション業界が直面している課題は、若者の可処分所得の低下、商品の同質化、人材不足など多岐にわたる。消費の傾向が「モノからコトへ」と言われて久しいが、小売り各社が今、目を向けていることはLTV(顧客生涯価値)の創造や人材確保といった長期的なビジョンだ。地方スタッフのやりがいを高める「フェス」を開催するベイクルーズや、自分たちが保有する施設でモノと絡めて体験を提供するアーバンリサーチなど、各社がさまざまな方法で課題と向き合っている。
Azuはこう読む!
「もはやモノだけで勝負する方が斬新なのでは⁉︎」というくらい当たり前になった「コト消費」という言葉。ここ数年で活性化しているポップアップストアや店頭イベントの需要が、「体験ありきの購入」が求められていることを物語っています。
本紙ではベイクルーズやアーバンリサーチのフェス、ナイキ(NIKE)と協業したビームスのキャンプ、ジュンの縁日をピックアップしていますが、私はベイクルーズの「各地のスタッフを巻き込む」という施策がとても素敵だと思いました。
8〜10月にかけて名古屋、京都、仙台、福岡の4都市で「ベイクルーズフェス」を開催。音楽やファッションなど、開催地ごとにテーマが異なる点も面白いのですが、何より各都市で働く現地スタッフを中心に企画立案、というところに胸が熱くなりました……!
こうしたイベントって大体東京で開催されるので、地方勤務のスタッフはなかなか参加できないのが現状だと思います。でも、消費者がイベントで得た体験を購入まで繋げ、LTVを上げるための細かなケアを継続するのは、他でもない店頭のスタッフです。事後報告で「イベントはこんな感じでした。それについて聞かれたらこう対応してください」と伝えるだけだと、消費者とスタッフの「体験格差」が出てしまうので、せっかく体験してもらった熱も冷めやすいのではと思っています。
各地のスタッフを主要メンバーとした地域密着型のイベントなら「体験格差」がそこまで生じないので、熱しやすく冷めやすい「イベントでの体験」をうまく店頭につなげられるのではないでしょうか。そして何より「一体感が生まれた」とのコメントのように、社員のモチベーション向上にもつながるので内外ともにハッピーな施策だなぁと思いました。私もファッション業界のレペゼン川崎を目指しているので、地域密着型の消費を生み出す施策で地元に貢献したいです。
Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne