ブリック(ブロック)の「レゴ(LEGO)」はこのほど、小泉智貴「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザイナーを、さまざまなカルチャーを代表し想像力と遊びの大切さを伝えるカルチャークリエイターに起用し、オリジナルビデオを作成した。カルチャークリエイターは、ミュージシャンのマーク・ロンソン(Mark Ronson)と体操選手のシモーネ・バイルズ(Simone Biles)、それに小泉の3人だ。
オリジナルビデオの撮影について小泉は、「こんなにたくさんの色と形があることに驚いた。蛍光色やパステルカラー、透明のブロックは、僕が作るドレスの色に通じるところがあって、即興の人形作りも楽しかった」と話す。レゴとの思い出、ドレス作りとの共通点、そして、子ども時代について聞いた。
WWD:大人になって、改めて「レゴ」のブリックに触れてどうだった?
小泉智貴「トモ コイズミ」デザイナー(以下、小泉):触って、色で分けて、つなげて、作って、壊して、また作ってのプロセスが楽しかった。「作って、壊して」は「レゴ」の醍醐味。それは、カラフルなオーガンジーのパーツをたくさん作って組み合わせる、自分のドレス作りに似ている。どの色をどこに配置して、どんな3次元のシェイプを作るかは「トモ コイズミ」も「レゴ」も同じ。今回NYで発表したコレクションは、”おもちゃっぽい空気感”を取り入れたので、なおさら。実は「レゴ」は、NYでのプレゼンテーションをサポートしてくれた。収録の時に手渡された「レゴ」は、ジャーの中にいろんなピースがあって、好きなものを自由に作るカンジ。正直、その方が好き。もちろん、お城や戦車、恐竜など「コレを作る」という「レゴ」も楽しそうだけれど、完成形は自分で決めたい。使う・使わないを探りながら決めるのは、力が問われることだと思う。
WWD:子ども時代は、何で遊んでいた?
小泉:折り紙が大好きだった。折って何かを作るのではなく、集めて、色を眺めるのが好きだった。色は、昔から好き。開封したばかりの折り紙のグラデーションは、調和が取れていて、眺めるのが楽しかった。もちろん紙を折って、何かを作るのも楽しい。平面を立体にすることで養われた感覚は、今にも生きている。大学では美術教育を専攻し教員免許を取得するために教育実習も受けたが、そこでも「立体の力」を学んだ。幼い頃から、この力を養うのは大事なこと。