「ゾゾタウン」を運営するZOZOの4〜9月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比31.8%増の132億円になった。プライベートブランド(PB)「ZOZO」事業に関連する広告宣伝費やZOZOスーツの配布数減少に伴う経費の削減によるもの。販売力を示す商品取扱高は同11.7%増の1527億円、売上高は6.5%増の572億円、経常利益は同30.4%増の130億円、純利益は同25.9%増の79億円だった。前澤友作前社長の電撃退任にともなって9月12日に就任した澤田宏太郎社長兼CEOは「(上期は)おおむね計画通り。下期以降は、前澤前社長がいなくなって面白くない会社になったと言われたくない。現場の社員とともに面白い企画を仕掛けていきたい」と語った。
商品取扱高に対する粗利益率は33.2%で、同1.5ポイント悪化した。主な要因は4〜9月期から導入した、顧客の購買履歴に応じて実施する割引プロモーションによるもの。こうした割引プロモーション費用は、外部に費用を払うネット広告などを計上する販管費ではなく、売上原価に計上するため、粗利率を直撃した。ただ、「プロモーションに関しては取扱高に対して2.9%を充てるという考え方を従来から持っており、基本的にはその範囲で行っているため、利益全体としては大きな影響はない」(柳澤孝旨副社長兼CFO)という。
商品単価は同5.2%減の3463円、平均出荷単価は同4.6%減の7416円と引き続き悪化した。澤田社長は「ヤフーの傘下入りには、今後の成長のため、よりマスにリーチする狙いがあった。(単価の下落は)連結化でガッツリできるようになり、販売の効率性を引き上げたい」と語った。ペイペイモールに関しても「テナント側には、『ペイペイモール』で売れた場合でも追加手数料をもらわないと説明しており、手数料は同じで売れるチャンスが純粋に広がるため、テナント側からは大変好評だ」という。
なお、18年8月にPB「ZOZO」に関連して買収したインドネシアのベンチャー企業で被服パターンの自動生成技術を持つビスポキファイ(BESPOKIFY)株に関して、評価損11億5000万円を計上する。