ワコールホールディングス(HD)の2019年4〜9月期(米国基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比5.6%増の94億円だった。売上高は同0.4%減の1014億円。海外事業が減収減益だったものの、国内事業は消費増税前の駆け込み消費も寄与して増収増益になった。税引前四半期純利益は同42.8%減の93億円。前年同期に計上していた有価証券・投資評価損益の評価益約56億円の反動によって減益になった。
主力の国内ワコール事業は、売上高が同3.0%増の603億円、営業利益が同26.7%増の62億円だった。卸売部門では睡眠時専用ブラジャー“ナイトアップブラ”、小売事業では造形性を高めたブラジャー“グラマリッチ”の動きが良かった。オムニチャネルの構築に伴う設備投資は増加したものの、増収効果と粗利益率の改善によって大幅な増益を達成した。
海外ワコール事業は、売上高が同5.4%減の272億円、営業利益が同21.3%減の30億円だった。米国の百貨店流通が振るわなかったのに加え、タイの材料会社が苦戦した。米国、欧州、中国の各現地法人がコスト増もあって減益を余儀なくされた。為替変動も逆風になった。
通期(20年3月期)は売上高で前期比3.0%増の2000億円、営業利益で同2.2倍の110億円を予想する。今期スタートした店舗への3D計測機の設置は、同社が手薄だった20〜30代の若い女性を呼び込む効果を想定以上にあげているという。