コーセーの2019年4~9月期決算は売上高が前年同期比6.1%増の1707億円で、上期決算として7期連続で過去最高を更新した。利益面では、売上原価率の上昇やマーケティング費用の積極的投資が影響し、営業利益が同7.8%減の283億円、経常利益が同14%減の280億円、純利益が18.1%減の181億円となり、上期決算で6期ぶりに減益となった。
地域別では、日本の売上高が同1%増の1197億円、アジアが中国市場と韓国の免税売り上げがけん引し、同34.9%増の313億円と成長した。北米はプレステージメイク市場全体の厳しい環境によりタルト社の売り上げの伸びが鈍化し、同4.4%減の167億円。その他市場が同70.4%増の29億円となった。北米をのぞく全地域で前年を上回り、連結売上高に占める海外売上高のシェアは29.9%で海外売上高が509億円となった。
事業別に見ると、化粧品事業が同8.6%増の1319億円だった。ハイプレステージの「コスメデコルテ(DECORTE)」が、最高級ラインの“AQミリオリティ”がけん引し同33%増、アルビオンも新製品の化粧液「フローラドリップ」が好調に推移し同4%増となった。プレステージもメイクアップブランド「エスプリーク(ESPRIQUE)」や「ワンバイ コーセー(ONE BY KOSE)」などが寄与した。
「増税前の駆け込み需要は『アルビオン』や『雪肌精』が同40%増など好結果となった。10月の落ち込みは2割程度で11月には復調するだろう」と小林一俊コーセー社長は述べる。そのため、20年3月期予想は、売上高が前期比5.7%増の3520億円、営業利益が同3.0%増の540億円、経常利益が同1.3%増の547億円、純利益が同0.3%増の371億円と当初計画通り。
同社は現在「世界で存在感のある企業への進化」を目指す「VISION2026」を掲げ、26年までに売上高5000億円、営業利益率16%以上、海外売上比率35%、EC/新販路売上比率15%以上を目指している。今上期時点ですでに営業利益率が16.6%、EC売上比率などが16%と達成しているため、新たな目標を掲げる予定だ。