ジュンは、女性向けのスポーツ業態「ナージー(NERGY)」の出店拡大に乗り出した。今秋は9月に新宿のフラッグス、札幌のステラプレイス、10月に金沢の大和、11月に渋谷スクランブルスクエアに立て続けに出店し、年内には千葉にもオープンする予定。2015年秋スタートの同業態はしばらく試行錯誤が続き、今秋までは全国4店舗の限られた展開だった。スポーツシーンに合わせたMDに手応えを得たのを機に、主要都市での多店舗化にアクセルを踏む。22年には計30店舗体制で売上高50億円を目指す。
今秋オープンの5店舗は、百貨店の大和を除けば、駅上や駅前の通行量の多い立地を選んだ。新宿駅南口のフラッグス、11月1日に開業した渋谷駅直結の渋谷スクランブルスクエアなど、集客力のある商業施設のファッションフロアに出店し、20〜40代の幅広い女性を呼び込む。ナージー事業部の平和士部長は「4年間の試行錯誤を経て、ブランドの方向性がはっきりしてきた。今後は新しいお客さまとの接点を増やす局面に入る」と話す。
ストアブランド「ナージー」は発売当初はカジュアル寄りの商品を多く扱ってきたが、実際にはワークアウトやヨガ、ランニングなどスポーツ用途を前提にした商品の支持が高かった。美や健康に関心の高い女性の潜在ニーズに応えるため、スポーツ用途とタウン用途のMDの最適なバランスを調整してきた。ジュンがアパレル事業で培ってきたファッション性を生かし、スポーツブランドとのは異なる個性をアピールする。現在、店舗の商品構成は「ナージー」のウエアが40%、パートナーシップを組む「ナイキ(NIKE)」のシューズやウエアが45%、その他の買い付け品が15%となっている。
同社は武道をテーマにした女性専用スタジオ「ビーアイエフ バイ ナージー(B.I.F. BY NERGY)」を原宿で運営しているが、各店舗でも「ナージー アクティブスタジオ」と呼ばれるヨガやランニングのイベントを定期的に開き、コミュニティ作りに取り組んでいる。店舗スタッフにもインストラクター経験者を積極的に採用し、店頭で専門的なアドバイスができるようにする。来年以降はスタジオ機能を併設した店舗の出店も計画する。