ワールドの2019年4~9月期連結決算は、本業のもうけを示すコア営業利益が前年同期比13.8%増の70億円だった。売上高に相当する売上収益は同0.4%増の1176億円と横ばいだが、主力のブランド事業で値引き抑制などが奏功し、粗利益率が1.0ポイント改善されたことで利益が押し上げられた。
ブランド事業のコア営業利益は、同約2倍の44億円。販路別では、SC向けブランドが前年同期比8億5400万円、百貨店向けブランドが同4億6100万円の増益だった。在庫コントロールの精度の向上が、値引き販売や在庫評価損の抑制につながった。
デジタル事業のセグメント損益は3億400万円の赤字。当期はオーダーシャツECの米オリジナル社を3月に買収し、ゴードンブラザーズとの合弁でオフプライス業態の「アンドブリッジ(&BRIDGE)」を埼玉に9月にオープンするなど先行投資を行ったほか、他社向けデジタルソリューションのシステム開発費用などがかさんだ。
上山健二社長は「粗利コントロールの精度を高めたことで、ブランド事業がグループ全体の業績をけん引する本来の姿を取り戻した。同時にアパレルの一本足打法からも脱却し、収益源の多様化も進んでいる」と自信をのぞかせる。
20年3月期は、売上収益が前期比0.4%増の2509億円、コア営業利益が同10.6%増の180億円を予想する。下期以降はオリジナル社、ラクサス社など子会社の早期黒字化を目指すとともに、子会社同士のシナジー強化により利益体制のさらなる強化を図る。