セイコーウオッチは、スイス・バーゼルで開催される世界最大の時計・宝飾見本市「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)2020」への出展を取りやめた。「WWDジャパン」編集部の問い合わせに対して、同社の広報担当はこれを認めた。代わりに、これまでの「バーゼル・ワールド」開催期(3月)に、何らかの形で新製品の発表を行うという。
同見本市をめぐっては、19年に「オメガ(OMEGA)」や「ブレゲ(BREGUET)」、「ロンジン(LONGINES)」「ブランパン(BLANCPAIN)」「ティソ(TISSOT)」「ハミルトン(HAMILTON)」「ラドー(RADO)」など多くのブランドを擁する世界最大の時計企業スウォッチ グループ(SWATCH GROUP)が出展を中止。存続が危ぶまれていた。
セイコーウオッチが同見本市に初出展したのは1986年。手巻き発電式クオーツを皮切りに、ブランドのスローガンである“常に時代の一歩先へ”を体現する最新技術を次々と発表してきた。
「バーゼル・ワールド2020」は、ライバル関係にある「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ(WATCHES & WONDERS GENEVA)」※と会期を続けて4月30日から5月5日まで開催される。しかし、そこにはセイコーウオッチの姿もスウォッチ グループの姿もない。
※10月16日に「S.I.H.H.(サロン・インターナショナル・オート・オルロジュリ)」から名称変更
「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ」は、これまでの“バイヤーやジャーナリストなど、ごく一部に向けたエクスクルーシブな見本市”というコンセプトを一新し、時計のプロフェッショナルにとって参加必須であると同時に、時計作りの素晴らしさを世界に伝えるイベント、より一般に開かれたパブリックなイベントになることを宣言している。変われない「バーゼル・ワールド」との差は大きい。