「WWDジャパン」11月4日号の特集では、ファッション系スタートアップに投資している有力ベンチャーキャピタル(VC)9社にアンケートを行い、彼らが注目する企業やファッション業界の可能性を調査した。本記事では、そのアンケートの中から「ファッション分野で投資価値のある業態・ビジネスは?」という質問に対しての回答を抜粋してお届けする。
グロービス・キャピタル・パートナーズ
シューズ関連は、トレンドに大きく左右されず、靴のサイズ感や購入体験に付加価値を出せる可能性があるため注目している。そのほか、コーディネート系ビジネスや背が低い、体型などのコンプレックスを解消するファッション、サプリメントなどにも興味がある(渡邊佑規ディレクター)
ジャフコ
ユーザー側だけでなく、サプライヤー側も巻き込みコミュニティを生み出せるバランス感覚と、その上で生成されるテクノロジーが背景にあるブランドこそがファッションテックにおいて差別化要因・競争優位性になると考えている(担当者)
Wベンチャーズ
欧米でインフルエンサーやセレブらが新しいブランドを続々と生み出しており、日本においても同様の動きが生まれるかと、そういったインフルエンサーの中でもバーチャルインフルエンサーにも注目している。また、シェアリングエコノミ―が広がる中で、ファッション分野でも出資先のスニーカーのマーケットプレイスなどが流通を伸ばしており、特化型CtoCには注目中(東明宏・代表パートナー)
イースト・ベンチャーズ
水平的に裏方に回るモデルの事業者、もしくは取得した会員データをM&Aなどを通じて横展開して有効活用できる企業はスケールが見込みやすい(金子剛士パートナー)
KVP
動画コマースなどはZ世代に向けて適切なコンテンツを届けてコミュニティを形成し、その世代を代表するコンテンツ・コミュニティをベースにしたブランドが創出される可能性が高い(亀村悠真アソシエイト)
TLM
トレンドのD2Cはより広がると思うが、試着、レンタルなどの付加価値があったり、古着などのアーカイブや過去のシーズンのデータベースからの購買であったりを考慮すればECモール型にもまだまだまだ期待できる(木暮圭佑ジェネラルパートナー)
アプリコット・ベンチャーズ
データを用いたD2CモデルやD2Cを支えるシステム、パーソナライズ・美容整形などの成長市場において、カルチャーや技術の変革を捉えている企業には投資価値がある。また、労働人口の減少に伴い、AIなどの先端技術で業務を効果的・効率的に進められるサービスのニーズが高まっており、ファッション業界でも重要性が増すと予想している(白川智樹・代表)
Xtechベンチャーズ
マーケットプレイスという領域にポテンシャルを感じている。中でもバーティカルなC2Cのマーケットプレイスには可能性があり、投資価値があると思う(手嶋浩己・共同創業者兼ジェネラルパートナー)
DIMENSION
商品が売れた後も顧客とつながり続けることにより、集客コストが低減化、顧客単価の向上が仕組み化されているブランドには価値がある(担当者)