「WWDジャパン」11月4日号の特集では、ファッション系の企業へ投資する投資家たちが注目する次世代のファッションビジネスを探った。特集の巻頭座談会では「MERY」創業者の中川綾太郎氏、「ペアーズ(Pairs)」などを開発するエウレカ創業者の赤坂優氏、元メルカリ幹部の松本龍祐氏、そしてフリークアウトホールディングスなどを創業し、上場に導いた佐藤裕介氏の4人が登場。個人投資家としても有名な彼らがファッション業界に投資する理由や、その可能性を聞いた。そんな彼らの会話で頻出した用語10個をピックアップ。スタートアップや投資の世界においては押さえておきたいキーワードだ。
エクイティ・ファイナンス
事業のために新たに株式を発行し、投資家などに売ることで資金を調達する方法。なお、銀行などの金融機関から借り入れを行って資金を得る方法をデット・ファイナンスと呼ぶ。
エンジェル投資家
創業間もなく、資金調達が難しい企業に資金を提供する個人投資家のこと。エンジェル投資家の多くが起業家でもあり、かつて立ち上げた事業を売却して得た資金を用いることが多い。
ベンチャーキャピタル
通称VC。未上場のベンチャー企業に資金を投下し、保有した株式を上場や売却の際に売って利益を得る企業。出資先の成長を促すために経営の支援などを行うVCもある。
デューデリジェンス
投資を行うに当たり、対象企業の価値や投資のリスクなどを調査すること。企業の財務を調べるのが一般的だが、事業や法務、人材などの観点から調査することもある。
ポーション
割り当ての意味。投資家は基本的に分散して投資を行うが、ある企業の投資において、運用している資金のうちどれだけの割り合いの金額をその企業に充てるかを指す。
リターン
投資した結果得られる収益や損失。株式などの値段の変動が大きいことはリスクと表現される。リスクの高い投資ほど、リターンも大きくなる一方で、リスクの低い投資はリターンも小さい。
イグジット
投資資金を回収することで、M&A(合併、買収)やIPO(株式の新規上場)などがある。企業はイグジットの時期や方法、どの程度の利益が生まれるかをプラン化しておくと出資を受けやすい。
バリューアウト
商品に新たな価値を付けること。商品などの開発の際、メーカー側の理論や計画を優先するプロダクトアウトの考えから、消費者のニーズを重視したマーケットイン思想へと変わり、バリューアウトに至る。
ラウンド
投資を受ける際の段階を指す。創業から事業の成長に合わせてシード、アーリー、シリーズA、B、Cと段階が上がっていく。資金調達額もラウンドが進むにつれて増える。