そんなわけで、これからもちゃんと決めずに退社したわけですが、楽観的だったことが功を奏し、想像もしない場所でファッションと新たなつながりを持つことができました。
東京から1950kmも離れた場所、すぐそこは台湾という沖縄県石垣島と周辺の離島です。退社後のしばしの休息であり夏を謳歌していた頃、東京の業界の友人3人に突然誘われ、何の説明もないままに早朝の羽田から石垣島へ飛びましたwww。着替え以外は何も持たず、日程すらよく分かっていない。でも予感はあったんです。「きっと何かあるな」っていう。結局10日間ほど滞在し、石垣島、波照間島、西表島、小浜島を旅して最高な時間だったわけ。でもちゃんと目的もやっぱりあったのよね。
まず初日は、石垣島の流れ星の丘で開催された「CAMPING EARTH 2019」。星空保護区の星と大地と音の祭典。沖縄県最大規模のキャンプフェスだそうです。ここは一言、サイコーです!!SalyuやOAUなんて有名アーティストが参加していたし、お酒と音と風と人すべてが心地よくて、全身の力が抜けてく感じ。みんな、来年は絶対に行ったほうがいいよ~。ローカルなファッションカテゴリーも多くのブースを出していて驚きです。
でも1番「いいな~」と感じたことはね、こんなに多くの人達が心許してつながっていて、みんな人生を楽しんでいて、それぞれが思い思いの格好をして音楽に揺れてんのよ。忘れていた大事なマインドを想い出させてもらったし、「羨望の眼差し」を向けずにはいられなかったよね。そうそう。ファッションマインドって、コレがすごく大切なんだよね。自分が好きに思う、大切に思う、外になびかずに守りたいと心にある、「らしさ」を追求するマインド。初めてお会いした方ばかりだったけど、みんながみんな素敵すぎました。この高揚感やワナビーを抱くような非日常的な湧き上がる感情って、なくしちゃいけないヤツなのよ。
時を経て本島では、琉球の魂宿る首里城が、とても悲しい事態になってしまって言葉も出ません。
さてそんなメロウな時間の中で、友人がワークショップを行うというので石垣島にあるセレクトショップへ。え?石垣島にセレクトショップがあるの!?って思うでしょ?セレクトをずっとやってきた身としてはドキドキしてきちゃって。まさかでしょ。
その名は「MAHINA MELE / Lino Coffee & Espresso」。八重山諸島・石垣島という、ショッピングは通販に頼りがちな離島でリアルなショッピングを提案する島内初のセレクトショップなのだそう。そして13年目とのこと。2年前にはカフェを新設して、ヒトやモノ、カルチャーが交差する場所として存在してます!!って、当然、前述のCAMPING EARTHにも出店されてたわけですが、滞在中に何度かお店を訪れるたびに、その極上フェスで知り合ったオシャレ先輩方、西表でガイドしてもらったイケ兄などなどが皆、来るんですよ。ほんとカッコいい兄さん・姉さんがいつもいるんですよ。こんなカッコいい日常、ずるくねww?って思うやつです。ハイ。
カフェでは「オニバスコーヒー(ONIBUS COFFEE)」の高品質なスペシャルティコーヒー豆を使用。浅煎りフルーティーなコーヒーを、オーナーが丁寧に入れてくれる癒しの香り。当然、ビールをはじめ、お酒も堪能できますよ~~。交差する人が皆素敵だし、海だけじゃない、リゾートなんかじゃ味わえない石垣の魅力の一つですね~。
そんな方々やお客さまをお呼びしてのワークショップは、「アナソルール(ANASOLULE)」というブランドがお客さまと一緒にTシャツにタイダイ染めするイベントでした。みんな楽しそうに自分だけの色柄を作っていて、ファッション業界にいる身としては本当に嬉しかった。多くの先輩方に教わってきたのも、コレなんだよ。僕らがこの大きなエネルギーをもっと持って、一緒にハッピーを生み出さなくちゃいかんのだよね。楽しいし、好きだし、好きになってもらいたいから、モノづくりしてるはずなの。
なんかね、こっそりやる気出ちゃったんだよね。離島でさ。
本気で遊ばせてもらって、ローカルでリアルな体感させてもらって、重要なことを再確認させてもらったお話でした~。で??東京に戻って、今は何してるわけ?って多くの人に聞かれ始めたので(笑)、2019-20年秋冬シーズンも始まっているわけだし、そろそろ私も次回以降は本気の日常を紹介しようと思います。
井上智和:1981年生まれ。東京生まれ東京育ちのCITY BOY。中央大学商学部を卒業後、三陽商会に入社し、店頭研修後に「バーバリー・ブラックレーベル」で販売トレーナー及びVMDを担当。3年目の終わりに「ラブレス」に異動しバイヤーに。国内外ブランドの開拓・買い付けをしながらセレクトショップの運営を学び、直近はバイヤーの他にプレス・販促・販売の長を兼務しながらリテール事業を経験。15年在籍の後に退社し、現在は「1H basix(ワンエイチ ベイシックス)」の名を冠して独立。ファッション・ライフスタイル領域のセレクトにて、アドバイジングやディレクション、買い付けを行なう傍ら、大人の本気遊びを体現し記事執筆を行う