【追記4月10日】スノーピークは、新型コロナウイルス感染拡大で政府から発令された緊急事態宣言を受けて、4月18日に予定していた「スノーピークランドステーション白馬」の開業を延期すると発表した。新たな開業予定日は今後の状況を考慮して協議するという。
スノーピークは8日、長野・白馬村に2020年4月に開く予定の体験型複合施設「スノーピークランドステーション白馬」の詳細を東京のオフィスで発表し、設計した隈研吾や協業するスターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文代表取締役CEOらが登壇した。
敷地面積は約1万平方メートルで、施設の店舗エリアには「スノーピーク(SNOW PEAK)」の国内最大級となる直営店や「スターバックス」、東京・神楽坂の和食店「神楽坂 石かわ」の石川秀樹が監修したレストランが入る。また、白馬の観光情報の提供や施設の予約をサポートするインフォメーションカウンターも設ける。施設周辺では木に囲まれた“野遊びエリア”でキャンプができたり、芝生が広がる“イベントエリア”で地元住人と交流するマルシェなどを開いたりと、さまざまな体験を提供する。初年度は売上高約2億円を目指す。
全体設計を担当した隈研吾は「仕事柄、世界中のリゾート地を見てきたが、白馬は自然が美しくて地域のコミュニティーが温かいのがほかにはない特徴だ。そんな魅力の全てが一体になる施設なので、人が集まりやすいように開かれた構成にしている」と述べる。商品の共同開発やイベントの共催を経て出店に至った「スターバックス」の水口CEOは「白馬は日本のリゾートの中でも立地や景観が素晴らしい場所。出店という形でスノーピークさんと初めて協業するには素晴らしいファーストステップだと思った。(スノーピークとは)今後もいろいろ広がりそうな可能性を感じている」と語った。
スノーピークは現在飲食部門も強化しており、「白馬の食材はもちろん、生産者の方ともつながってもらいたい」(山井梨沙副社長)との思いから、収穫から調理までを体験できるツアーを計画しているという。レストランを手掛ける石川は「トンがったことをやっているスノーピークとしかできないレストランを作りたい。オープンに向けて、シェフはすでに地元の生産者との関係を深めている。ほかにはない店ができそうでワクワクしている」と意気込んだ。
山井太スノーピーク社長は同施設を海外ビジネスの推進にもつなげていきたいという。「20年3月に約1300平方メートルの店をアメリカのポートランドに出店する。白馬の施設に海外から人を呼びたいし、白馬に来た外国人にもスノーピークを知ってもらえるので双方向でメリットがある」。また、18年12月期は2割を占めた海外の売り上げ比率を「さらに加速していきたい」とし、「白馬の自然やスケール感、地元の熱意やポテンシャルは、必ず世界のトップリゾートになれる場所だと感じているので投資を決めた。われわれの役割は白馬の価値を可視化していくことだ」と続けた。