ファッション

スノーピークが新アパレルブランド「ヤマイ」を始動 32歳の女性副社長が手掛ける“80歳になっても着続けられる服”

 スノーピークは、2020年春夏シーズンから新たなアパレルブランド「ヤマイ(YAMAI)」を立ち上げる。2014年に同社のアパレル事業を立ち上げた山井梨沙副社長 CDOがデザインし、天然素材や手作業にこだわったウィメンズとユニセックスのウエアや小物34型をそろえる。価格帯はコート7万2000円、ジャケット5万2000円、ドレス3万2000〜4万2000円、シャツ2万〜3万6000円、パンツ2万〜4万4000円、スカート4万4000〜4万8000円など。2020年4月に開くスノーピークのウィメンズ主体の新業態をはじめ、一部セレクトショップへの卸も予定している。

 素材はインドの野蚕シルクをはじめ、北・南米のオーガニックコットンやアジアの麻など、世界中から集めた野生育ちの天然素材を使用する。手織りや手刺しゅうで仕立てたり、泥や草木、墨などの天然染料を国内で手染めしたりするなど、徹底して“素朴”にこだわるのは、山井副社長の強い思いからだ。「スノーピークは、何でもない自然との関わりが本来の豊かさだという価値観を持っています。今は何でもある時代なのに、本当の意味で自然や人と関われる服が意外と少ない。だから『ヤマイ』の服はめちゃくちゃ上質なものだけど、あえて素朴に作っているんです。使い捨ての服ではなくて、80歳になっても着続けられる。そんな服こそ究極のサステナビリティではないでしょうか」。

 現在32歳の山井副社長はスノーピーク創業者の孫で、山井太社長 CEOを父に持つ。14年にアパレル部門を立ち上げ、18年12月期の年間売上高は約20億円(会社全体の売上高は120億7000万円)の規模まで成長させた立役者だ。今年1月に副社長に就任して立場も変わり、スノーピークのアパレルデザインを離れることになったものの「デザインの仕事は私の生活には必要なこと。経営の仕事と両立できる範囲の規模や型数でブランドをやりたかったんです。やっぱり服が大好きですから」と、自身の名を冠した「ヤマイ」を立ち上げた。ルックのビジュアルには山井副社長と、店舗開発の部門で勤務する弟も登場している。「弟はもともと絵描きだったので、Tシャツに彼のイラストを採用しています」。14年のアパレル部門立ち上げの際は自ら営業に足を運ぶなど苦労も多かったが、半年間で目標を超える1億2000万円の売り上げを達成した。新ブランドも「1年間で2億4000万円は売りたいですね」と意気込む。

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