大正から昭和初期にかけて生産された銘仙(めいせん)※をリメークしてシャツやブルゾン、コートを作っています。銘仙はシルク100%製ながら、大衆着として愛されました。このざらっとした質感と柄の個性に魅了されています。骨董市で1枚3500円ほどで売られているものを「10枚買うから」と値切って、1枚当たり1500~2000円で仕入れています。一度バラして生地にしてから、女性物をメンズに再生します。全8型でトップスのみ。耐久性がないのでパンツには向かないんです。6月にパリで行われた合同展示会「トラノイ(TRANOI)」に初出展しました。評判は上々。今後はアメリカにも進出したいですね。一点モノで手間ばかり掛かるのでもうからないんですが(笑)。
※江戸時代後期に起源を持つ、先染めの平織物。たて糸とよこ糸の色をあえてずらすことで柄の境界をぼかすのが特徴
【私のサステナビリティ】
ファッション業界にとって加速して取り組まなければいけない課題の“サステナビリティ”。企業として大きく舵を切ることはもちろん、個々の意識も重要です。そこで個人的に行なっているサステナビリティについて聞きました。