アイスタイルは、「アットコスメ」のグローバルアプリをスタートさせ、第1弾としてマレーシアと香港で公開した。他国ユーザーのクチコミや他国ニュースも自動翻訳で閲覧できる点が特徴で、今後はタイや台湾などに順次拡大する。また、将来的には日本版のアプリにも翻訳機能を導入し、世界各国のユーザーが1つの IDで世界中のクチコミやランキングを参考にしながら、店舗やECで商品を購入できる態勢を整える予定。
同社は長年の構想として「アットコスメ」のグローバル化を掲げており、2012年には香港に現地法人を設立。現在は香港に「アットコスメ ストア」を5店舗構えている。また、17年にはマレーシアでECサイト運営を行うHermo Creativeを子会社化したほか、米国のコスメコミュニティーサイト「メイクアップアレー」を運営するMUAと、台湾の化粧品クチコミサイト「ユアコスメ」を運営するi-TRUEを買収していた。
グローバルアプリは手始めに使用人口が多い英語圏と中国語圏でリリースし、米国や台湾などのメディア事業で収集した情報も含めた各国のユーザー動向を蓄積。世界規模のデータベースを作り上げ、国内外の消費者やブランドをつなぐサービスを提供する。
同社が8日に発表した20年第1四半期(7~9月)決算は、売上高は前年同期比2.3%増の79億円だったが、20年1月に開業する旗艦店に関する経費や中国のEC法改正、香港デモの影響などにより営業損益は2億円の赤字となった。しかし、9月に発表したB to Bサービス「ブランドオフィシャル」が順調に推移しているほか、コスト削減などで計画を上回っていることなどもあり、11日の株価がストップ高になるなど大きな反響を呼んでいる。