アジアを代表するアイウエア国際展「第27回香港オプティカルフェア」(香港貿易発展局、香港眼鏡製造者協会主催)が11月6日から3日間、香港コンベンション&エキシビション・センターで開かれ、世界18の国と地域から810社が出展し、96の国と地域から約1万4000人のバイヤーが来場した。
日本からは福井県の眼鏡企業18社が集まった日本パビリオンが設けられたほか、アイヴァン、増永眼鏡、ボストンクラブなど28社が出展。日本パビリオン前では、福井県の伝統的職人技を紹介する英語版の動画を上映し、メイド・イン・ジャパンの技術力の高さをアピールした。
香港はアイウエアの流行に敏感で、ある業界関係者は日本よりトレンドが明快に表れると言うが、今展ではメタルのテンプルをグラデーション状に彩ったフレームや、植物のつるのようなラインを描いたテンプルなど、大胆なデザインのアート作品のようなモデルが同展のアワードを受賞していた。実売を意識したモデルはクラシックをベースとしたラウンド系のデザインが継続して主流だ。
昨年と比較すると、全体の出展社数はほぼ同じながら、来場したバイヤー数は前回の約1万6800人から減少した。香港で続いている政府への抗議活動を懸念してか、日本企業は現地の代理店に営業を任せ、出張者は少なかったようだ。
しかし、増永眼鏡は「三城の台湾の店舗など日系の眼鏡店からのオーダーが好調で、想定以上の成果を上げた」と好結果を出した。また、日本パビリオンを統括した水嶌基博・福井県眼鏡工業組合副理事長は、「昨年と比べてパワーダウンは否めない」としつつも、「規模が拡大している北京や上海のアイウエア国際展にも興味はあるが、香港オプティカルフェアは国際性が豊かで、グローバル化を目指して私たちが10年以上参加している同展の重要性に変わりはない」と強調する。香港にとって日本は、アメリカ、イタリア、中国、オーストラリアに次ぐ5番目の輸出国だ。
グレース・タイ(Grace Tai)香港眼鏡製造者協会会長は「香港情勢について不正確な情報が流れているが、眼鏡業界の見通しは楽観している。アイウエアは、服と違って視力矯正に必要なものだ。香港は国際的なアイウエア産地であり、『香港オプティカルフェア』は1カ所で必要な用が足りる重要な国際展であることに間違いない。今後は、新時代を象徴するスマートアイウエアや新しい検眼技術の分野の発表の場としても力を入れたい」と話した。