ユナイテッドアローズ(以下、UA)は12月1日付で、「自社EC開発部」を社長直下に新設する。今秋に自社運営化を予定していた自社ECサイト「ユナイテッドアローズ オンラインストア」の開発遅延による運営停止、これまで運営を委託していたゾゾの子会社アラタナとの再契約を受けたもの。11月6日に開いた2019年4~9月期決算説明会で発表した。
今後の自社でのEC運営を目指し、「自社EC開発部」を設立し、開発を続ける。同部には、過去に情報システム部とデジタルマーケティング部の部長経験を持つ同社の高田賢二執行役員 経営企画部 ファッションマーケティング部担当を自社EC開発部担当に任命し、12月1日付ではあるが、すでに始動している。専門組織として推進することで、責任の所在を明確化、行動計画に基づき進捗管理することで、自社運営化とオムニチャネルサービスを実現する。
竹田光広社長は「サイトで商品をご覧になってから来店されるお客さまが増える中、これ以上サイトを停止することは更なる迷惑をかけてしまう(ことから、アラタナに再委託し11月27日から運営を再開する)。今回の件は、重大な事象と捉えており、内部監査室を中心に開発遅延とサイト停止に至った経緯、責任の所在を明らかにするように調査を進行中だ。調査結果に基づき、然るべき適切な処置を下す」と語った。自社運営への切り替え時期については言及しなかった。
また、決算説明会では海外展開の拡張を目指し、今期中をメドに中国現地法人の設立も発表した。これまで13年に台湾現地法人を設立し、現在台湾に5店舗と自社ECを運営しており、コーエンは今季初出店している。中国では、「グリーン レーベル リラクシング UA(GREEN LABEL RELAXING UA)」とコーエンをメインに展開する。そのほか、20年2月に「ブラミンク(BLAMINK)」を中心に展開する子会社のデザインズをUA第一事業本部に吸収合併する。商品面、販売面、販促面で第一事業本部が持つ機能を活用することで、効率的なグループ経営を図る。
なお、2019年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比3.9%増の745億円、営業利益が同28.8%増の39億円、純利益が同29.2%増の19億円の増収増益だった。一部の連結子会社やUAのアウトレットが伸長したことで、売上総利益率が0.2ポイント改善。販管費率は、コーエンの宣伝販促費やUAの固定費の減少などで、0.8ポイント低減となった。
20年3月期の連結売上高は前期比3.3%増の1642億円、営業利益が同8.2%増の119億円、経常利益が同6.1%増の120億円、純利益が同4.4%増の6億7000万円を見込む。