講談社の新ウェブマガジン「ミモレ(mi-mollet)」が1月20日にスタートする。45歳前後の女性をターゲットとし、リアルなスナップ写真やお悩み相談などのコンテンツを充実させるほか、読者コミュニティの組織化などの方針も明らかにしている。今回、同誌で編集長を務めるスタイリストの大草直子に話を聞いた。
WWD:改めて、「ミモレ」のコンセプトとは?
大草:コンセプトは、「“明日の私”が見つかるサイト」。リアルなスナップ集やお悩み相談など、読めばポジティブな“気付き”があるサイトにしたい。毎日訪れていただいて、“気付きの種”が手のひらいっぱいになったとき、明日のスタイリングがすぐに決まり、自分に合ったメークが見つかる。読者が「私は私のままでいいんだ」と自分自身を認めてあげられるようになったら嬉しい。
WWD:具体的なターゲット層については?
大草:キーワードは45歳。「ミモレ」はフランス語で「半熟」という意味。未熟と成熟の長い橋を渡る世代、自由で豊かで美しい世代を取り上げたい。この年齢特有の、繊細さや微妙な心の揺れなども肯定的にとらえたいと思っている。ただし、ウェブマガジンなのでそこまで読者はセグメントしない。年齢はもちろん、未婚・既婚、子どもの有無、仕事の有無などは女性の価値を決めるものではないので、どなたでもウェルカム。
WWD:同誌を作るにあたって、特にこだわっている点は?
大草:「リアル感」にこだわっている。今日読んで明日すぐに役に立つリアルな情報、テクニックはどこにも負けないサイトにしたい。あとは、私たちが「読者をジャッジしない」こと。
WWD:今回、紙媒体でなくウェブ媒体を選んだ理由については?
大草:自分のブログが月間180万PVを超え、さまざまな女性のリアルな息づかいを感じ、悩みを聞くことができた。この方たちのリクエストに応えるのに、ウェブの方が早く確実だろうと思ったから。忙しい女性たちが好きなタイミングで情報を受け取ることができ、参加することができ、シェアすることができ、そして「自分以外」の考え方や悩みを知ることができるのは、ウェブしかない。ただし、紙媒体も視野には入れている。最初はウェブで情報やデータを集め、その後に読者が望んでいることを精査し、紙媒体での展開方法を考えていきたい。
WWD:同誌を通して読者にどのようなメッセージを伝えたいか?
大草:「あなたはあなたのままで十分美しく、時計の針を過去に戻す必要も、ブランド物で武装する必要もない」ということ。肩書きで自分の価値を測る必要もないし、メディアに「輝きなさい」と踊らされることだってない。もし、自分のペースで何かを「チェンジ」したいと思っているなら、「ミモレ」に立ち寄ってほしい。きっとそのヒントときっかけがあるはず。
【プロフィール】
大草直子(おおくさなおこ)
エディター、ファッションスタイリスト。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌「ヴァンテーヌ」の編集に携わった後、独立。現在は、女性ファッション誌の編集やスタイリングを務めるほか、アパレルブランドやセレクトショップとのコラボレーション商品の企画、トークイベント出演など、幅広いジャンルの仕事に携わる。「Naoko Okusa's Real Coordinate」(ワニブックス)など、著書も多数あり、10月には、新著「『明日の服』に迷うあなたへ」(産業編集センター)を発売。私生活では3児の母。