高島屋とその子会社の東神開発は11日、玉川高島屋S・C(東京都世田谷区)の開業50周年を記念したパーティーを同店で開催した。テナント関係者など約250人が招かれ、開業当時を知る東神開発や老舗店舗のOBによる座談会、芥川賞作家の川上未映子氏の講演に耳を傾けた。
OBらによる座談会では玉川高島屋S・Cの開業当時を知る明治屋の磯野計一元社長、榮太樓總本鋪の細田治会長、東神開発の松澤邦光元社長と小西隆昭元社長が登壇した。磯野氏と細田氏はテナントで組織する商店会の会長を務めてきた。4人はこの半世紀を振り返り、東京の郊外に過ぎなかった二子玉川に日本初の郊外型ショッピングセンター(SC)を開発した経緯、開業からしばらく続いた試行錯誤、デベロッパーとテナントが地域に愛されるSCを作り上げてきた取り組みを、さまざまなエピソードを交えて語った。とりわけ玉川高島屋S・Cの生みの親である倉橋良雄氏(高島屋、東神開発の取締役、日本ショッピングセンター協会会長などを歴任)の功績を讃え、「われわれは倉橋学校の生徒」だったと口をそろえた。
玉川高島屋S・Cはモータリゼーションの時代を見越して、1969年11月11日にオープン。百貨店の高島屋を核に、衣食住の多様なテナントを集めた。日本の郊外型SCの第1号であり、その後、全国各地に広がるSCのモデルになった。開業時と現在(2018年度)を比べると、営業面積は約3倍の8万5200平方メートルに、店舗数は約2.7倍の340店に、売上高は約9.4倍の936億円に拡大している。